目次
1.はじめに
つい最近までミルクを飲んで眠っていた赤ちゃんだったのが、首や腰がすわり、ズリバイやハイハイが上手に出来るようになります。そうなれば掴まり立ちや歩きだす時期はすぐ目の前です。
自分の意志で立ち、自分の行きたいところへ歩きだすという大きな成長をみることが出来ます。お世話が大変にはなりますが、それ以上の喜びと思い出がたくさん作れる時期でもあります。
少しでも怪我をしないように成長するにつれて注意したいこと、気を付けた方がいいことをまとめてみました。笑顔いっぱいに歩く練習を十分にさせてあげられる環境作りに役立つと嬉しいです。
2.掴まり立ちや歩きだす時期はいつ頃?
掴まり立ちや歩きだす時期は、とても個人差が出る時期でもあります。準備が整っていても、ハイハイが好きな赤ちゃんは掴まり立ちが遅い場合もありますし、逆にハイハイをなかなか始めず、成長の遅れを気にしていたら歩きだすのは早かったというパターンもよく聞く話です。
掴まり立ちを始める時期の平均は、生後7~8ヵ月頃からと言われています。ハイハイをしっかりすることで手足のトレーニングをし、掴まり立ちをする準備をしています。それまでの赤ちゃんはぽっちゃりした体型ですが、ハイハイが上手になる頃には手足も締まりほっそりしてきます。
ハイハイで自分の行きたい場所へ行くことは出来るようになりますが、少し頭をあげると興味があるものが!取りたい!!そんな気持ちが立ち上がろうとする原動力になるのかもしれません。いろんなものに興味を持つことは、成長には欠かせないことです。
歩き始める時期は、生後10ヵ月~1歳6ヵ月と大きく幅があります。掴まり立ちやつたい歩きが上手になってくると、そろそろ一人で歩き始めるかもと期待しますが、意外にここから時間がかかる赤ちゃんもたくさんいます。
同じ状態が続くと不安に思ってしまいますが、焦りは禁物です。ある日突然1人で歩きだすこともありますし、急激に上達することがあります。心と体のバランスが整うまでゆっくり見守ってあげてくださいね。
3.掴まり立ちが出来るようになったら
3.1 ロンパースから上下別々の服へ
掴まり立ちが出来るようになってきたら、上下別々のお洋服がオススメです。早いお母さんだと、はいはいを始めた頃には上下別々でお着替えというお母さんも多いはずです。動き回る赤ちゃんのロンパースのホックほどイライラするものはありません。
夏場になると赤ちゃんはすぐに汗をかき、Tシャツがビチョビチョになることも良くあります。上下別々であれば、Tシャツのお着替えもすぐに出来ます。そして掴まり立ちが出来るようになると、ズボンがとても楽ちんです。
上下別々のお洋服が着られるようになると、お洒落の幅もグッと広がります。子どもの洋服選びも子育ての楽しさの1つです。
3.2 オムツをテープタイプからパンツタイツへ
オムツにはテープタイプとパンツタイプがありますが、掴まり立ちが出来るようになれば断然パンツタイプがオススメです。メーカーにも寄りますが、はいはいの時期や掴まり立ちの時期用のパンツタイプのオムツが存在します。
眠っている時間もまだまだ長いですが、活動時間が増え、足回りのおしっこやうんちの漏れを防いでくれるのがパンツタイプのオムツです。テープタイプだと足回りが緩くなってしまう事や、逆にきつ過ぎることもあります。自由に体を動かせないと赤ちゃんのご機嫌が悪くなることもあります。
パンツタイプのオムツだと外出先でのオムツ交換も楽になります。いつも綺麗なオムツ交換台があるとは限りません。オムツ交換用のシートを敷いたとしても見るからに汚れのある所に我が子を寝かせるには抵抗があります。
最近ではたっち出来る子ども用に、オムツ交換スペースが作られていることもあり、ササッとオムツ交換ができとても助かります。
3.3 室内シューズやファーストシューズ
掴まり立ちが出来るようになってくると、室内シューズやファーストシューズ、足裏に滑り止めのゴムが付いた靴下があると便利です。
基本的には掴まり立ちの練習は、裸足が1番です。足裏でしっかりと地面を感じることがとても大切なことだからです。裸足で歩く練習をすることで、指でしっかりと地面を掴み、姿勢が良く歩けるからです。
室内シューズやファーストシューズを準備する理由は、少しずつ靴の存在を教えることで、歩きだす時期にはスムーズに靴を履いてくれることです。また、外出先では常に抱っこ出来るとは限りませんし、赤ちゃんも動きたい時があります。その時に便利なのが室内シューズです。裸足ではちょっと心配な場所でも室内シューズを履かせることで、足裏の保護をしてくれます。
冬の寒い時期に裸足では寒いかな?と感じたときにも便利です。靴下を選ぶ場合は、必ず滑り止めのゴムが付いているか確認しましょう。可愛いと思って買っても、滑り止めが付いていない靴下だと、赤ちゃんが滑って危険なこともあります。嫌がる時は無理に履かせないようにしましょう。
4.掴まり立ちが出来るようになったら注意すること
4.1 手の届くところに物を置かない
掴まり立ちが始まったら、まず室内環境の見直しが必要です。今まで気にしなかった所に手が届くようになり、ビックリすることがあります。特に掴まり立ちしやすいテレビボードやローテーブルの上は、特に注意が必要になります。
掴まり立ちすることで目線が高くなり、興味があるものを取ろうとします。赤ちゃんにはそれが危険かどうかなんてお構いなしです。赤ちゃんの怪我になりそうなものは、早い段階で手の届かない場所に移動させましょう。
また、ここは届かないだろうと安心していると、意外にも手が届いてしまうものです。掴まり立ちが慣れてくると足をかけたりよじ登ろうとすることもあります。大切なものや危険なものは目の届かないところへ収納してしまいましょう。
夏場に心配なのが扇風機です。現在は羽根のない扇風機もありますが、ほとんどの家は羽根付きの扇風機だと思います。暑い日には扇風機の風が気持ちよく、首を振る扇風機は赤ちゃんの興味をそそります。扇風機の羽根に指が当たると大変なことになります。扇風機カバーや手が届かないように工夫が必要です。
冬場のストーブやハロゲンなどの暖房器具も危険です。扇風機と同じように手の届かない場所に移動させることが必要です。
掴まり立ちが始まると、自分では思ってもみなかった事故が起こりうります。ある程度の怪我はつきものですが、未然に防ぐことが出来るものは防いであげましょう。
4.2 テーブルやタンスの角に気を付ける
掴まり立ち初心者の赤ちゃんは、至る所で転びます。ストンと尻もちを付いてくれれば良いのですが、後頭部からゴチンと転倒することも良くあります。家の中を見渡すと柱や梁、ベランダの冊子部分、テーブル・タンスと数えきれない程の角が存在しています。その角に頭をぶつけたらと思うとぞっとします。
すべての角をガードすることは難しいですが、特に鋭利な角っこはクッション材を付けガードしておきましょう。
我が家でも掴まり立ちが始まった頃に、テレビボードへ引き出し部分には太めのクッション材を両面テープで固定。頭を打ちやすいキッチンカウンターの角などには安全ガードを付けていました。
いたちごっこでしたが、このクッション材に救われたことは確かです。何度かテレビボードに激突していましたが、クッション材のおかげで小さな擦り傷ですみました。直に当たっていたらと思うと今でもゾッとします。
4.3 ベビーベッドの高さを調節する
ベビーベッドを使っているご家庭で忘れがちなのが、ベッドの床板の高さ調節です。赤ちゃんが新生児の時期は床板を一番上の高さに上げ、抱きやすく下ろしやすい高さで使用します。
しかし、赤ちゃんの身長にもよりますが、掴まり立ちを始めた時期になると床板を一番上の高さに上げておくと転落に繋がる場合があります。
まだ顔が出ているぐらいだから大丈夫かな?と思っていると怪我のもとです。ベビーベッドには寝具があります。掛け布団が重なって置かれていると、十分な足踏み台になります。それだけで赤ちゃんの体がベビーベッドからはみ出ます。
また、掴まり立ちが上手に出来るころの赤ちゃんはよじ登るのが大好きです。いろんな所に足をかけよじ登ってきます。ベビーベッドには開閉用の柵が付いていますので、丁度良い足掛け場所になります。
ベビーベッドをよじ登ったものの、降り方が分からずドスンと下に落ちてしまう事もあります。運よくベッド側に落ちれば怪我を防ぐことが出来ますが、床に落ちたことを考えると危険です。
床板の調節機能があるベビーベッドをお使いの場合、赤ちゃんの転落事故を防ぐために、高さ調節を忘れないようにしましょう。
5.一人で歩き始めたら注意すること
5.1 目を離さない
一人で歩き始めて一番気を付けなければいけないのが、子どもから目を離さないことです。自宅内の場合はある程度余裕を持って見守る事ができますが、外出時は特に気を付けることが必要です。
まだよちよちだから大丈夫と思っているお母さん!危険です。特に混雑時のスーパーや人ごみの中の小さい子どもは、どこに紛れ込んでしまうかわかりませんし見つけにくいです。陳列されている洋服の間や棚の隙間、大人では考えつかない場所で遊んでいます。
人が多い場所に行くときは、普段より目を光らせましょう。いつもの公園で自由に遊ばせる感覚では、子どもが迷子さんになってしまいます。
また外出先では、危険なものもたくさんあります。そこら中に角や鋭利なものがたくさんです。けれど子どもは興味があるものがたくさんあるので、少しテンションも上がり気味で勢いよく歩きだします。
一人で歩けるようになったけれど、まだまだ歩くことは初心者です。歩き始めた子どもとの外出は、出来るだけ手を繋いで歩くか必ず目の届く範囲で遊ばせるようにしましょう。
5.2 扉やベランダの入り口
一人で歩けるようになった子どもは、自由奔放に歩き回ります。特に自宅の場合はある程度危ないものは除去されているため、自由に歩き回る事が出来ます。その中で気を付けたいことは、部屋やベランダの出入口です。
普段遊ばすリビングは、子ども仕様に色んな工夫をしていることが多いですが、別の部屋はそのままというケースは多いと思います。私の家もリビングと隣の1室だけ子どもが動き回れるようにしていますが、他の部屋はそのままです。
自宅ということもあり自由に歩かせていましたが、洗濯や料理中は目を離すこともしばしばあります。気付いたら視界から消えており、慌てて探したこともありました。探してみると一人で廊下を歩き、他の部屋を物色していました。
ボールペンを手に持ち、ニコニコ歩いている時はさすがに焦りました。
また、ベランダの出入口はとても危険です。冬場はベランダの戸は閉め切り、鍵をかけていることが多いですが、問題は夏場の網戸だけの時です。子どもの力でも比較的開けやすく、自分で開けてベランダに出てしまうことがあります。
子どもが一人でベランダに出てしまうと、とても危険です。子どもにとっては好奇心で歩き回り、大人のように怖さがないので柵によじ登ってしまうことも考えられます。サッシガードのようなもので、一人でベランダに出られないように対策を立てましょう。
5.3 無理に歩かせ過ぎない
脳の発育のためには、乳幼児の歩行は大切な刺激になります。赤ちゃんの頃は、「手足の運動=脳の発達」と言われるように、赤ちゃんの運動能力と知能は繋がっていると考えられています。
つたい歩きや一人で歩けるようになれば極力外出し、たくさん歩くことを勧められています。歩くこと自体はとても良い習慣ですし、外気に触れたくさんの刺激を与えることが出来るのです。
しかし大人にとっては大した距離ではなくても、子どもにとったら大変な距離ですし体力も使います。思っている以上に筋力を使っています。掴まり立ちや歩けるようになると、歩いている姿が可愛くて疲れていてもつい歩かせてしまうこともあります。
6.歩く練習をしてみよう
6.1 歩行器
赤ちゃんが掴まり立ちやつたい歩きが出来るようになると、歩行器をイメージします。恐らく私の年代だと、歩行器は当たり前のように使われていたと思います。現在では少し利用者が減ったように感じるので、歩行器のメリットとデメリットを簡単に調べてみました。
歩行器のメリット
②立っている姿勢の為、視界が良くたくさんの事に興味を持てる
③転倒を防いでくれる
④歩行器自体がテーブルやおもちゃの代わりになる
⑤忙しいときでも一人で遊んでくれる
歩行器のデメリット
②段差や階段などによる転倒・転落事故が起きやすい
③歩行器の使用中は出来るだけ側にいなければいけない
④立っている高さの安全対策が必要
歩行器の使用にはメリットがありますが、デメリットがあることがわかりました。総合的に考えると、短時間の使用であれば、赤ちゃんの好奇心が生まれ、お母さんの忙しい時のお助けにもなるとても良いアイテムだと思います。
THE歩行器と言えそうな昔からある歩行器の他に、最近では可愛らしい歩行器を見かけるようになりました。
歩行器の中でジャンプやシートが360度回転して、まわりのおもちゃで遊ぶことが出来ます。
6.2 手押し車
掴まり立ちが上手になり、少しずつつたい歩きが出来るようになると、手押し車がオススメです。赤ちゃんが手押し車を押して歩いている光景はとても可愛らしく微笑ましいです。
手押し車と言えば、木製でカタカタカタと音を鳴らしながら進んで行くものを想像しますが、最近の手押し車がたくさんの種類と用途があり何を基準に選んでいいのか迷ってしまします。手押し車を少し紹介したいと思いますので、参考になれば嬉しいです。
①ベビーファーストウォーカー
昔ながらの木製手押し車に、指先を使う知恵玩具を付け加えた「ベビーファーストウォーカー」です。木製のタイヤですが、回りにゴムが付いているので集合住宅での騒音の心配もありません。
②ミテミテ
こちらも昔ながらの木製カタカタ手押し車です。手押し車の先端、バンパー部分がクッション加工になっており、勢いよく壁にぶつかっても壁を傷つけないように設計されています。
③アンパンマン 乗って!押して!へんしんウォーカー
子ども達に大人気なアンパンマンです。正面のビジーボード、手押し車、足こぎの3パターンで遊べ、長く使えるのが嬉しいポイントです。おしゃべりモードも付いており、子どもが楽しく遊べます。
私の子どもにもこのシリーズの手押し車を買いましたが、いまでもビジーボードで遊んでいます。アンパンマンシリーズはプラスチック製になります。木製には木の温かみがあり、プラスチック製には機械的な遊びが搭載されており、どちらにも良さを感じます。
6.3 一緒に行進遊び
歩行器や手押し車など、歩く練習をするアイテムはたくさんありますが、やっぱり親子で歩く練習するのが一番上達するのではないでしょうか。
掴まり立ちが始まればお母さんが掴まる場所に、つたい歩きが始まればお母さんがパランスを取る棒代わりになってあげ、よちよち歩くようになれば手を繋ぎ歩くことで子どもは安心して歩く練習が出来ると思います。
一人で歩けるようになれば、行進遊びを取り入れて歩く練習をします。遊びは簡単です。椅子やテーブルなど何でも良いのですが、部屋の中心辺りに置きます。その椅子やテーブルを中心に歌を歌いながら歩く練習です。
手を繋いで歩いてもいいですし、先頭を歩いてあげるか子どもの後をついていくのも有りです。大人にしてみれば単純な遊びのように感じますが、意外に子どもには楽しい遊びのようです。
ちなみに、2つ同時のことをさせると脳にとても刺激になるそうです。歩くと歌を聞く、楽しい行進歩きと脳の刺激で一石二鳥の遊びです。
7.室内を安全に歩かせてあげるために
7.1 ベービーサークル
掃除や洗濯、夕食の準備など少し手が離せない時に便利なのがベビーサークルです。一人で歩けるようになると家中を探索し始めるので、目を離すのが心配な時期ですが、ベビーサークルがあれば安心して家事をすることが出来ます。
ベビーサークルの高さが、掴まり立ちをするのにちょうど持ち手になりますし、内側におもちゃがついているサークルもあるので時間稼ぎになります。長時間子どもをサークル内に入れておくのは反対ですが、家事の少しの時間であればとても有効なアイテムだと思います。
また、ベビーゲートもおすすめです。ベランダの出入口や部屋の入口にベビーゲートを置くだけで、子どもが危険な場所へ行けないように出来ます。私も大活躍だったのがベビーゲートでした。
1つはキッチンの入り口に、1つはリビングの入り口に使いました。一軒家だと階段がある家なら落下防止にもなります。
7.2 家具の安全ガード
①コーナーガード
家具の角は子どもがぶつけやすい場所でもあります。クッション材をつけてあげることで、怪我を軽減できます。キャラクターのベビーガードや家具に合わせて色を選べるものもあり、インテリアを重視するお母さんも使いやすいです。
②コーナークッション
長さや形を気にせずに使いたい分を切って調節するだけのコーナークッションです。家の柱やテレビボードなどの危険な部分に使えます。
③網戸ストッパー
網戸を内側からロックする網戸ストッパーです。夏場に窓を開けても網戸ストッパーがあると子どもが網戸を開ける事が出来ないので安心です。私も取り付けました。一応防犯にもなるのでおすすめです。
7.3 ジョイントマット
子どもが歩きだすとあらゆる場所で転びます。フローリングのお家も多いと思いますので、頭を強く打たないか心配になります。また子どもが元気に遊び回ると騒音も気になるところです。
汚れても取り外して洗うことができ、色の組み合わせや厚みや大きさも自由に決めることができるので、自宅に合わせて選ぶことが出来ます。床の色を変えることで模様替えしたような気分に味わうことが出来ます。
私もジョイントマットをリビングに敷きましたが、子どもが転んでもフローリングよりも衝撃を吸収してくれていたので、たんこぶが出来ることはありませんでした。
8.おわりに
掴まり立ちや一人で歩けるようになると、赤ちゃんだけでなくお母さんやお父さんの行動範囲が広がります。これまでバギーや抱っこ紐でしかお出かけ出来ませんでしたが、これからはたくさんの場所にお出かけ出来るようになります。
まだ歩くのが上手ではない赤ちゃんでも、いつの間にか一人でどこへでも行ってしまうようになります。これまではすべての行動にお世話を必要としてきた赤ちゃんが、自分で動きだします。それってすごい成長だと思いませんか?
子どもって、1つずつ自分の事を自分でするように成長していき、自立していくものなのだと思います。嬉しい反面、寂しいような気持ちが生まれますが、これから一緒に歩いていける楽しさを存分に感じながら過ごして欲しいと思います。