1.そもそも天職とはなんだろう
今の仕事って天職と言えるのだろうか。今までがんばってここまで来たけど、本当に今の仕事・職場が本当にわたしの運命の場所なのか自信がない。看護の世界は本当に自分の居場所なんだろうか?当時の私は、んな事を考えながら毎日なんとか仕事を続けてきました。
ずっと悩みながら調べてみたり考えてきたこと、そしてわたしが看護師として生きることが天職だったかなって確認した方法をすべて紹介します。同じような悩みをもっているナースさんに是非参考にしてもらいたいです。
2.天職の探し方
(「天職のマトリクス」『あなたの天職がわかる最強の自己分析』梅田幸子著、中経出版、15頁 を元に作成)
そもそも天職を考える前に、「天職」ってどんなものかイメージできますか?
具体的に「ココロが求めていること」を見つけるのは自分の好きな事を仕事にするのではなく、自分の好きな事を深く考えて、どうしてそれが好きなのかを自分なりに具体的にすることから始めます。人によって好きな理由は異なります。
自分がどうして好きなのかわかってきたら、あとはそこを「得意」にするだけです。目の前のことに全力で取り組むことで、成長するだけでなく、自分の好きなことがどんどん得意になっていきます。3年は仕事を続けたほうがいいというのは、ここから来ています。
3.天職と適職の違い
ここまで読んできた人の中には今の仕事って天職かもしれないって思ってる人もいるかもしれません。でも、多くの場合、それは適職の可能性が高いです。適職と天職の違いは以下のようなものがあります。
どちらもそんなに違いを感じないかもしれませんが、天職の場合は「天から与えられる、あなたにピッタリの仕事で、他人に止められたり批判されても、やりたいと感じる仕事」としています。
こんな感覚を持てるのは、何年も仕事をした結果、振り返った時にだけです。適職をずっと続けていくといつか振り返った時、天職だったのかなと感じるものだからです。
(1)適職
適職=適正がある仕事。あなたに向いている仕事、得意なことなので、人からもたよられやすく、そこそこやりがいを感じる仕事
(2)天職
天職=天から与えられる仕事。天から与えられる、あなたにピッタリの仕事で、他人に止められたり批判されても、やりたいと感じる仕事
天職や適職の関係を具体的にイメージするには、過去の偉人はどんな言葉で表現しているのか幾つか見ていくのが良いでしょう。いくつかピックアップしみてました。
I long to accomplish a great and noble task, but it is my chief duty to accomplish small tasks as if they were great and noble.
ヘレン・ケラー(米国の教育家、社会福祉活動家、著作家 / 1880~1968)
アリストテレス(古代ギリシアの哲学者 / 紀元前384~紀元前322)
松下幸之助(日本の実業家、発明家、パナソニック創業者 / 1894~1989)
ゲーテ(ドイツの詩人、小説家、劇作家 / 1749~1832)
4.天職がわからない人の陥りやすい天職難民6つの特徴
どこまで考えても、どうしても自分の天職がなんなのか見当もつかない…、と思う人もたくさんいるはずです。そんな人にはいくつか天職が見つからない、いわゆる天職難民の特徴があります。自分の考え方に当てはめて考えてみてはいかがでしょうか。
4.1.仕事として興味があるのか、それとも趣味として興味があるのか曖昧
たとえば、ボランティアが好きだったから看護の仕事についたという人は、仕事としてケアの仕事につくと実際に理想の違いに心が折れてしまいます。
このように趣味としては好きなこと・ものと仕事として好きなことは違います。しかし、ここを直接結びつけて天職だと考えてしまうことが多々ありますし、それはだいたい失敗することになります。
4.2.知識ばかりで実際に経験していない
天職難民の人は器用で真面目で勉強熱心な人が多いと言われています。なんでも少し勉強したらできるようになってしまうため、自分の可能性がどんどん広がってしまい何が本当に自分にあっているかわからなくあんってしまうからです。
そういった傾向があるため、ちょっと経験しただけで次の興味へ移ってしまい、体験量が全然足らないため好きか嫌いかわからない状態になってしまいます。
4.3.現実的な面で考えている
就職や給与の高低に関連するような現実的な視点で仕事を探すような人は多くの場合、天職につながりません。そこに適性があるかどうかは考慮されていないからです。
就職先を『成長できそう』という理由で選んだり、『成長できない』という理由で勤め先を退職したりする人が増えています。
このような方向性で仕事を選ぶようになると更に本質的な知識や経験を得ることが難しくなります。実際に損得ではなくどんな仕事でも本気で取り組むからこそ、向き不向きを感覚的に理解できるからです。
4.4.好きなことより嫌いなことに意識をフォーカスさせている
一般的には自分の苦手なものを克服することが大事だと言われています。小さい頃から、ずっと教育されてきたのも【好きなことを伸ばす】よりも【苦手なことを減らす】ことの方が重要だと言われてきました。
しかし、
苦手克服に時間を費やしていると、好きなことに取り組む時間がなくなってしまうので、なかなか才能を磨いて、得意な状態にまで伸ばすことができないのです。
それだけならいいのですが、嫌いなことを我慢するということはストレスを抑えようとするために感情にフィルターをかけて、自分の感情がわからなくなってきます。その結果自分が本当に好きな事をしていても好きだなぁって感じる心もわからなくなってしまうのです。
4.5.過去の経験に縛られている
仕事を選ぶ時に、過去の経験をもとにしてしまう場合、だいたい天職とは違う方向に進んでいきます。たとえば「せっかくここまで勉強してきたのに」とか「こんな資格をもったのだから」とか考えてしまうことはありませんか?
こういった過去の経験を活かすというスタンスでこれからの人生を考える場合は、言ってしまえば嫌いなデザインの洋服やサイズの合わない洋服を無理やり着たりするのと同じことです。
天職と思える仕事にとって過去の経験が役に立たないことなんて普通です。その仕事に必要な事はどんどん勉強していけばいいのです。
5.5.心の声に気づけない状態になっている
天職かな?と感じる形は、いつも楽しいとか嬉しいという感覚ではありません。時には苦しみという形で、または試練という形で現れてきます。ひとつ課題をクリアしたら、次の課題を用意されます。
それをクリアしていく中でどんどん成長していくものです。しかし、何度も同じような課題に直面するなと感じたら、それは要注意です。「ここはあなたのいる場所ではない」という心のサインなのかもしれません。
5.私が実際にやってた天職を見つめた方法や気づき方、出会い方
ここまで天職について色々説明をしてきましたが、なんとなくイメージがわかないかもしれません。そこで、私が天職だなって感じるモノを見つめるまでに考えた流れやポイントにしてきたことを詳しく紹介していきます。
5.1.どうして看護師になったのだろう
看護師じゃない友達や、家族からすると看護師をしている人は人生のとても早い段階で自分の天職を見つけてその道に一直線で進んできたように映るかもしれません。
しかし、実際に看護師の皆さんになんで働くの?
という質問をしてみると「生活のため」という回答が圧倒的に多いようです。実際は天職についているという感覚よりも明日のためになんとか仕事を続けているという人が多いと思います。
今の仕事、生き方が本当に自分の生きる道なのか?ナースとしてキャリアを深えるべきなのか?それとも他の世界へ活動の場を広げるのか。これからの人生をさらに充実したものにするためには、自分を一度見つめ直して心と向き合う時間を作ることが必要になります。
5.2.答えは自分心の中に、まずは過去を振り返ってみる
過去の自分の行動を振り返ると、そこには時間が経っても変わらない自分らしさが見えてきます。それは天職、未来の自分が求めている方向を示しているヒントでもあります。
具体的には「どうしてナースを続けてこれたのだろう?」と自分の心へ問いかけてみましょう。仕事が面白いから?それとも、人間関係がいいから?でしょうか。
たとえば、答えが「人間関係がいいから」だったら、続けて「どういったシーンで人間関係の良さを感じるのか?」と具体的な場面をイメージしていきましょう。イメージするシーンの中にはあなたが求めているコアの志向が現れています。
過去の自分を知るために以下のような情報も役立ちます。昔の日記やブログ、写真などを振り返ってみてもいいでしょう。
自分をしるための情報源 |
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日記、ブログ |
写真、アルバム |
手帳、業務日記 |
家族や友人に聞く |
セミナーや適性診断テスト |
5.3.いまの自分を知れば、次の一歩が見えてくる
過去を振り返ると、自分の求めている道、潜在的な志向や希望を顕在化することができてきます。次は現在の自分を客観的に見る作業をしてみます。過去の自分(理想)と現在の自分(現実)の自分の違いを直視した上で、どうすればマッチングさせられるのか考えていくことが天職へ近づく道と言えます。
さっそく、現実の自分を見てきましょう。参考にするのは生活に占める仕事の割合を示すワーク・ライフ・バランスです。以下、アンケート結果をまとめたものですが、ポイントは「最適な数字は人によって異なる」ということです。
たとえば、50%という数字は「仕事とプライベートを両立したいという人にとっては最適値」と言えますが、ナースとしての経験をもっと積みたいと考えいる人、家庭での時間こそが自分にとっては大切だと思う人からすれば目標の行き方、天職とは全く遠い場所にいるように感じるものです。
この数字を自分にとっての最適値に近づけることが天職へ向かうのです。
5.4.これからの人生を見極めよう
自分の天職、働き方を考える最後のステップはこれからの人生を考えることで完成します。ポイントは漠然とではなく、具体的に計画に落とし込むように考えることです。
今まで過去と向き合うことで「本当の自分はこうしたい」とか「もっとこうだったらいいのに」といった自分の本当の思いがわかってきました。
一方、現在を客観的に見ることで過去の自分が求めいる理想とどれだけ離れた場所にいるかがわかりました。両者のマッチングを進めることによって、天職に繋がっていくと説明しましたが、未来を具体的にするためには何が必要かというと、それは具体的なプランです。
「あとどれくらい働きたい」のかを考えたり、年数を区切って考える事で漠然としてきたイメージが具体的になってきます。
または、人生プランを立てる方法がイメージしやすい人もいます。その場合もポイントは将来という単位ではなく、10年後、5年後、3年後と小さなレベルまで計画を具体的にしていきます。
最終的には今年、今月といった単位にまで細分化した計画がたてられると、明日からの生活が天職に向かって計画を進めているイメージで生きることが出来るようになります。
まとめ
自分にとって天職とは、きっと自分の生き方や考え方とマッチした時間の過ごし方をしていることなのだと思います。言ってしまえば、働き方や働く場所などのようなもののように自分の働き方を理想に近づけることも天職と言えます。
つまりは、自分の心の声に従って心地よい仕事や働き方を見つけて、場合によっては積極的に転職活動をするなどして変化させていくことが重要なのかもしれません。