首がすわる前の3か月未満の赤ちゃんは、体がとてもやわらかく繊細で、抱っこするのをためらってしまいそうになりますよね。
抱っこする側が緊張してガチガチになってしまうと、赤ちゃんにも伝わってしまい、余計にリラックスできずに泣いてしまうこともあります。
基本、首がすわる前の赤ちゃんは横抱きがほとんどですが、ミルクや母乳を飲んだ後のげっぷをするときなど必要に応じて縦抱きもすることがあります。
また、首がすわるように、赤ちゃんの機嫌の良い時間帯に少しずつ縦抱きも取り入れることも良いことです。私の場合は訓練のためにうつぶせの練習を取り入れていました。
参考までに以下の記事を書いていますのでよかったらご覧ください。
https://ns-bu.com/utubuse-rensyu/
初めての育児、慣れないことばかりで睡眠不足も続くと体調も万全ではないかと思います。ときどき誰かのサポートも借りて、休み休み続けて下さい。
目次
1.首がすわる前の赤ちゃんの特徴と気を付けるポイント
生まれたばかりの赤ちゃんの頭蓋骨は4枚の骨でできており、骨と骨との隙間が埋まっていないところが2か所あります。
おでこの上部分の大泉門と後頭部の小泉門です。日常生活でトラブルになることはほとんどありませんが、赤ちゃんを抱くときに、この部分は扱いに気を付けてください。
上の兄姉がいる赤ちゃんの場合は、大泉門にちょっかいをかけないように注意が必要です。
個人差がありますが、小泉門はだいたい1か月以降、大泉門はだいたい2歳前後で閉じていきます。
また、体のそれぞれの箇所もすべて未発達です。
首を支える部分の筋肉も未発達で首がすわっていませんので、首がすわりかける4か月未満の赤ちゃんはしっかりと頸椎を支えてください。
足はひざを曲げた形になっていますので、オムツを交換するときなどに無理に伸ばして、股関節脱臼にならないよう気を付けてください。
視力は未発達で、目の前にあるものがぼんやりと見える程度です。
皮膚は大人の半分くらいのうすさですので、普段お世話をする家族の方は爪を短めに切ってください。
呼吸は腹式呼吸で、鼻呼吸がほとんどです。
ですので、赤ちゃんを抱っこするときは「心音を聞かてあげると落ち着くから」とあなたの胸元に寄せたくなるかもしれませんが、鼻をふさがないように少し距離を作ったり、顔を横向きにしてあげたりする工夫をしてください。
このように、これから成長していく赤ちゃんの体はとても繊細ですので、うまく抱くコツを抑えて、優しく抱くようにしてあげてください。
また、赤ちゃんによって抱っこの好みがあったり、そのときによってどの抱っこがいちばん良いか変わったりします。
どうしても泣き止まないときは、色々な抱っこをためしたり、あなたが疲れ切ったときは一度寝かせてみたり、あまり頑張りすぎないようにしてください。
2.抱き方とそれぞれの注意点
赤ちゃんを抱っこする方法はおもに3種類あります。
・縦抱き
・まんまる抱き
首がすわる前の赤ちゃんは基本的に横抱きです。縦抱きは授乳後のげっぷのときと、赤ちゃんがどうしても泣き止まないときに縦抱きをすると落ち着いてくれることもあります。
まんまる抱きとは、横抱きからできた抱き方になり、母親の体内にいた頃と同じように背中を丸くして抱く方法です。
この中でも、首がすわる前の赤ちゃんを縦抱きするのはとくに気を遣うかと思います。それぞれ順番に気を付けて欲しい点も併せてご紹介します。
2.1.一番はじめは横抱きからスタート
赤ちゃんの頭から首の下にかけてと、足からおしりにかけてと片手ずつ入れます。
そのまま赤ちゃんをやさしく持ち上げ、あなたの体に引き寄せます。おしりの方の手を股の間から背中まで移動させます。
さいごは、もう片方の手の肘の内側あたりに赤ちゃんの頭部がくるように移動させます。
利き手でないほうは赤ちゃんの頭を支えるほうにし、利き手のほうで赤ちゃんの股の間から背中を支えるほうにすると、身近にあるものなら取ることができて便利です。
赤ちゃんのひざが自然と曲がるように抱いてあげてください。
2.2.首が安定してきたかなと思ったら、縦抱き
頸椎をしっかり支え、頭がぐらつかないように気を付けてあげてください。
赤ちゃんの頭から首にかけてと、おしりの下とで片手ずつ使って支えます。
赤ちゃんをまず寝かせ、起こすようにして抱っこします。
あなたの利き手を赤ちゃんの脇の下から首のうしろへ持っていき、頸椎と頭をしっかりと支えます。
そして、もう片方の手であかちゃんのお尻を支え、ゆっくりとあなたの体に引き寄せて抱き上げます。
お尻を支えている方の手を少しずつ移動させ、肘を使ってお尻を支えるようにしてください。
あなたの体から少し離してあげることで、赤ちゃんが呼吸できるようにしてください。
そして、背中は無理にのばすことはありません。母親のお腹の中にいた頃と同じようにほんの少し丸くなっているくらいが良いです。
頸椎と頭を支える側の手は利き手と最初に書きましたが、意外と力を使いますので、休み休み交互の手を使い分けるようにしてください。
とくに母親は授乳もするので手を酷使し、腱鞘炎になることもあります。悪化すると整形外科で注射をしたり、簡単な外科手術での治療をしたりすることが必要になります。
腱鞘炎になることなんてあるの?と思われる方もおられるかもしれませんが、じっさいに個人的に経験しました。2回注射をしてもらいました。
首すわり前の赤ちゃんを縦抱きすることは緊張すると思いますが、短時間から始めることで首すわりへの準備にもなります。
また、視界が変わるので、縦抱きをすると赤ちゃんが泣き止むこともあります。
とはいえ、長時間の縦抱きは体への負担が大きいですから、首すわり前から使える抱っこ紐なども取り入れて、上手に乗り切りましょう。
抱っこ紐は好みがありますが、エルゴベビーの公式サイトから発売されたアダプトは首がすわる前から使うことができます。
従来のものは中にインサートを入れなくてはならず不便でしたが、この製品はヘッド&ネックサポートが頸椎を支えてくれます。
他にもさまざまな抱っこ紐がありますが、男性も使いやすい点と腰の部分がしっかりしている点がすごく良いです。
2.3.赤ちゃんがすぐに眠っちゃう魔法のまんまる抱き
手順は横抱きと同じです。
片方の手は赤ちゃんの頭と背中を支え、もう片方の手は膝の裏を支えます。このときに、腕で輪を作るようにしてください。
ハンモックなどで寝ている感じで、おしりを肘でしっかり支えると楽です。
長時間これを続けるのは負担かと思いますが、赤ちゃんはとてもリラックスできる体勢なので、機嫌よくしてくれることが多いです。
骨盤ケアとマタニティ&ベビーケア用品で知られる「青葉」のベビハグスリングはとても便利ですので、ぜひ使ってみてください。
市販のものでさまざまなスリングがありますが、青葉のものは赤ちゃんの背骨と骨盤を守ってくれるので、とても良いです。
推奨している助産師の方も多いので、産婦人科の助産師や市町村の赤ちゃん訪問で来てくれる助産師の方に聞いてみてください。
あわせて、産後の骨盤ケアが気になる方は「トコちゃんベルト」も試してみてください。産前から使うことができ、これがあれば産後の矯正下着はほとんどいりません。
※取り扱い方法も公式サイトに掲載されています。サイズは個人の肩幅で調整してもらうことになりますが、最初に縫い付けてしまうと楽です。
3.まとめ
首がすわる前の赤ちゃんの抱っこの方法と注意点をメインにご紹介しましたが、抱っこの前には赤ちゃんの首を鍛えるための練習も必要です。
具体的には「うつぶせ」の練習やあちこちへ振り向く練習等が必要になります。詳細は以下の記事で紹介していますので参考にしてみてください。

体内時計が出来上がっていない赤ちゃんは昼夜関係なしに泣き、母親は産後の回復がままならないまま睡眠不足になります。
いろいろな抱き方を取り入れて、いちばん赤ちゃんがリラックスできるようにしてあげることも大切ですが、あなたが健康でいられるように、周囲のサポートも借りてください。
辛すぎて、あっという間に成長してくれないかと願うことも多いと思います。
しかし、これからやってくるであろう2歳児のイヤイヤ期に比べたら、赤ちゃん時代はとても愛おしくて穏やかな時間です。ぜひ、1日1日を大切に過ごしてください。
里帰り出産もできず、ご主人の帰宅も遅いという方もおられるでしょう。
市町村の子育て支援センターなどに問い合わせることで、ファミリーサポートなどの支援を紹介してもらうこともできます。
抱っこ紐やスリングはわりと高いものもありますが、多少高くても、長く使えるものを選んでください。
いかに自分が楽をするか考えることも、息抜きになって楽しいですよ。