看護師として就職を考えている人の悩みはさまざまかと思います。
看護師の求人は多くあるとはいえ、
あなたのキャリアプランに沿った長く安定して続けられる職場を見つけたいですよね。
そのためには、あなたが求人に対して求めてばかりではダメです。
福利厚生が整っていて、人間関係も円滑で、教育制度も充実していて…
そういったことを考えることも大切ですが、
人気のある求人先の採用担当者からも「欲しい!」と思われるような
あなたの看護師像を作る必要があります。
では、どのようにしてあなたの看護師としてのキャリアプランを描き、
求人先の採用担当者から書類選考や面接において、目に留まる人材になれるのか?
すべてご紹介したいと思います。
目次
1.「未来の自分はどうなりたいか?」☆看護師としてのキャリアプラン☆
看護師としての就職先は選択の幅が広いです。
「病院」と一言に言っても国立病院、県立病院、総合病院、診療所と規模はさまざまです。
他には「保育所」「学校」「企業」「コールセンター」「介護施設」などさまざまな場所で活躍することができ、就職先によって雰囲気や仕事内容もガラリと変わります。
そのため、ザックリと求人を見るのではなく、事前にある程度自分のことを見つめなおし、どういった就職先を希望するのかあらかじめ検討しておくことが大切です。
とはいっても、どのようにしてキャリアプランを描き、具体的な就職先を決めるのか…なんて漠然としていてむずかしいですよね。ご紹介させて頂きます。参考になれば幸いです。
1.1.まずは自分を見直して
まず、「自己分析」を行ってください。
面倒に感じるかもしれませんが、
これは履歴書、職務経歴書、面接の際に自己分析の結果得た考えが大きなカギとなります。
具体的な方法ですが、
あなたが生まれてから今に至るまでの出来事を記憶にある範囲で全部書き出し、それぞれの出来事でどのような思いがあったのかも書き出します。
さらに、10年後の自分は看護師としてどうなりたいのかを想像してください。未来の自分が理想とする看護師像はどこから来ているのか?
恩師なのか、過去のあなたの病院での経験なのか…過去と未来がつながることで、普段は見えていなかったあなたの考え方の根本や仕事にかける気持ちが見えてきます。
一つ一つの出来事や想いにはそれぞれ一連の考えや共通する癖のようなものがあることがわかります。それが自分自身のコアのような考えと言えます。
そしてこれらは、就職先を考えるうえでの方向性や自己PRや志望動機などに結び付きます。
同時進行でしてほしいことがあります。
ノートをタテ半分にし、あなたが好きなことと嫌いなことをひたすら書き出してください。
その中でも、譲れないものをやどうしても嫌いなものを2~3個にしぼってください。
そうすることで、普段は見えていなかった、あなたがどういった職場に向いているのかが見えてきます。
さいごに、できれば初対面に近い人からあなたはどう見えるのか意見を聞いてください。
これを聞くことで、採用担当者の目にあなたはどう留まるのかに近い意見を聞くことができます。
むずかしいようであれば、できるだけシビアな意見をくれる人から意見を聞いてください。
1.2.キャリアプランと共に考えたい☆あなたのライフプラン☆
過去にライフプランに関する記事も書いていますので是非参考にしてみてください。

女性の場合、結婚や出産を機に働き方をガラリと変わることも多いです。
看護師としてのキャリアプランと、あなたのプライベートでのライフプランに無理がないかも考えてください。
例えば、結婚や出産後もできれば同じ職場で勤務したいと考えるのであれば、
・職場内に過去の産前産後休暇、育児休暇の取得者が多い。
・子どものいる看護師が多い。
といった点を重視する必要があります。
1.3.本当に自分の事を把握できているか不安。プロの意見が欲しい!第三者からのアドバイスを受けるには?
自分の考えを基に第三者から自分がどう見えているのかどうゆう点で長所があって、どういった点で短所があるのか等たくさんの意見を聞きました。
次に、具体的に看護師としてのキャリアプランを想像していくとなると、
できれば就職や転職のプロからのアドバイスがほしいですよね。
のちほど、転職組と就職組のどちらにもおすすめの看護師のサイトをご紹介します。
看護師専任の転職エージェントによる、下記のようなサポートを受けることができます。
・具体的な求人紹介(非公開求人を含む)
・求人先の人間関係、職場の雰囲気、残業の有無といった情報提供
・履歴書と職務経歴書の作成アドバイス、面接対策(場合によって面接の同行も)
・就業後のアフターフォロー
就職サイトによってカラーがありますので、大手を中心に数社登録するのがおすすめです。
1.4.就職先を選ぶポイント
①自分の性格や方向性に合った病院や病棟、科目などを選ぶ
厚生労働省の調査によると20代看護師の90%以上が病院勤務です。
病院と一言に言っても、規模はさまざまです。また、病院の種類もさまざまです。
病院の種類を把握し、未来の理想とするあなたの看護師像・適性からどの病院で勤務したいのかを検討していきましょう。
大学病院は最先端の治療を扱っているため、他の病院では看る機会のない患者さんの看護にあたることができます。
また、新人教育制度、プリセプター制度、その他勉強会や研修も充実しているので幅広い知識を吸収できます。
県立病院、総合病院など地域の医療を担っているため、一般的な疾患に対する知識を深め、看護技術の習得を目指すことができます。
さらに、この診療科で働きたいと具体的な希望がある人には、小児科・精神科といった単科の専門病院もあります。
②看護師としてしっかり成長できる教育制度があるのか?
プリセプター制度で1対1の指導を行う病院もあれば、プリセプターをサポートする管理職の看護師などグループ全体で新しく入ってきた看護師の指導にあたる病院までさまざまです。
また、近年では看護師が配属された診療科以外の部署をローテーションしながら指導にあたる病院もあります。
病院によって教育制度はさまざまです。とくに転職組は即戦力と見なされ、とくに指導員などはつかない職場もあります。不安に感じる方は就業前にしっかりと確認してください。
③自分のスタイルにあった働き方をチェックしよう
看護師は色々な働き方を選ぶことができます。
3交代、2交代、変則2交代、夜勤専属、日勤のみ、などバリエーション豊富です。
看護師として常勤での就職を希望する人の大半が夜勤は避けて通れません。
今回は3交代と2交代にしぼり、メリットとデメリットを検討します。
3交代は夜勤の勤務時間が8時間と短く体力的な疲れが少ない反面、勤務日数が多いので日勤が終わってすぐに夜勤にあたるケースもあります。
そのため、睡眠時間が数時間になってしまうこともあります。
2交代は夜勤の勤務時間が16時間と長く疲労がたまりがちな反面、休日が多いので自由な時間を多く確保することができます。
こうして考えると、若いうちは体力もあるので2交代の方が良さそうですが、環境の変化に応じて3交代、あるいは日勤のみといった形であなたに合った働き方に変化をさせていくと良いでしょう。
④福利厚生・給与と賞与・休日などをチェックしよう
福利厚生(社会保険、年金、雇用保険など)は法律で定められており、病院によって大きな差はないかと思います。
それよりも、病院独自で定めている制度について良くみてください。
資格取得のための支援制度、資格手当、病院内の保育園や託児所の有無、財形貯蓄、住宅手当、看護師のための寮など病院によってさまざまな制度があります。
あなたが大切にしたい点をピックアップし、制度の有無を良くみてください。
給与は賞与のベースとなる基本給の確認が一番大切です。求人票によって、総支給額での記載であったり、基本給の記載であったりとさまざまですので良くみてください。
休日はまず、年間休日をチェックしてください。そして、夏期休暇、年末年始休暇、有給休暇の日数と消化率も重視してください。病院によってほとんど消化できないケースもあります。
⑤人間関係を見てみよう
男性の看護師も増えつつあるとはいえ、看護師の大半が女性です。そのため、人間関係も難しくなりがちです。
緊迫した雰囲気になると指導する側は厳しい態度になることもありますし、色々な性格の人がいる分グループができていたりすることもあります。
仕事をする上で、最も大切なのは人間関係であるといっても過言ではありません。
求人からは見えてこない面になりますので、新卒の人はインターンシップでの情報を共有したり病院見学をしたりしましょう。
転職の人は転職サイトの転職エージェントから情報を得たり、同じく病院見学をしたりしましょう。
2.今知りたい! 看護師の就職準備&対策 何が必要?
就職活動をするにあたり、履歴書・職務経歴書、そして面接時の服装など色々な準備と対策が必要です。順番にご紹介します。
2.1.何はともあれ一番初めに見られる履歴書
求人元から特に指定がない限り、A4版サイズのものを使用してください。パソコンよりも手書きがベストです。最も重要視される志望動機の欄について触れたいと思います。
志望動機は看護師を志した過去から現在、そして未来の理想図と時系列で書いてください。
新卒者は在学中に学んだこと、そして求人元を選ぶ理由と求人元でどのような看護師になりいかに貢献をしたいと考えているか書いてください。
転職者は今まであなたが看護師として働く中で大切にしてきたこと、そして求人元を選ぶ理由といかに貢献をしたいと考えているか書いてください。
自己分析や第三者の意見などを整理しながら、自分の強みや弱み、どういった点でこの職場を希望したいと思ったのは整理しておきましょう。自分の軸と志望動機や自己PRが一貫していることが重要です。
そして、完成して封をする前に下記の確認を必ず行ってください。
・日付はすべて和暦で統一しているか
・押印欄はきちんと押印したか
・コピーをとったか
・履歴書と共に必要書類をそろえ、添え状を用意してクリアファイルに入れたか
誤字、脱字の有無はいちばん大切です。これがあるだけで、中身がどんなに立派でも不採用になってしまうことがあります。
また、コピーをとっておくと、次の履歴書を書いたり、面接対策をしたりするときに便利なのでおすすめします。
最後、添え状を用意し、添え状、履歴書、その他提出書類の順にクリアファイルに入れて封をしてください。添え状は手書きが望ましいですが、時間がないときはパソコンでも問題ありません。
2.2.職務経歴書
転職者は求人元によって職務経歴書の提出も必要なケースがあります。パソコンで作成するのが主流で、A4サイズに1~2枚が標準です。
下記のような書き方があります。どちらもインターネット上でフォーマットをダウンロードできますので、検索してみてください。
・編年式
これまでの看護師としての経験が少ない人におすすめの書き方です。これまでの職場、仕事内容を時系列で書いていく形式です。どのような流れで現在に至るのかが良く分かります。
・キャリア式
これまでの看護師としての経験が長い人におすすめの書き方です。これまでの職場、仕事内容を業務内容ごとにまとめて書いていく形式です。あなたのアピールしたい経歴や得意な部分を強調することができます。
履歴書と同じく、誤字・脱字の有無はしっかり確認してください。ついつい自分のスキルを伝えるために長くなりがちなので気を付けてください。また、看護業界で使う専門用語は一般の人が見てもわかる言葉を使ってください。
2.3.履歴書の写真
履歴書の写真で第一印象が決まるといっても過言ではありません。リクルートスーツにブラウスの服装で、3~6か月以内に撮影したものを使用してください。
スピード写真よりも写真店での撮影が理想的です。写真店によっては撮影したデジタルデータを貰えるところもありますので、それを自分でプリントアウトすれば安く済みます。
どうしても写真展での撮影が難しいときはスピード写真も活用しましょう。髪の毛をスッキリさせ、まっすぐ前を見てあごは引き気味にして撮影するのがポイントです。
2.4.面接対策
まず、面接会場、会場までの所要時間と交通手段を確認してください。
面接会場のほとんどにスリッパの用意があると思いますが、色々なケースがありますので念のため持参すると便利です。
じっさいの面接は集団で行われることもあれば、個人で行われることもあります。下記のような質問は必ずといっていいほどされるので、自宅で1人で何度も話す練習をしておいてください。
「あなたが応募先でどのような貢献ができるのか。」
「どんな看護師の姿を目指しているのか。」
「過去の仕事の経験を今後どのように伸ばしていきたいか。」
「何か質問はないか。」
さらに転職者は
「転職を考えたのはなぜか。」
といった質問もされます。退職理由が人間関係だった人も多いとは思いますが、それを前面に出すのは良くないので、上手に違う理由を考えて下さい。
3.既卒の方へ おすすめの転職サイト
看護師の転職サイトはインターネットを検索すると数多くあります。
大手を中心に数社登録し、いちばん合うところと綿密にやり取りされることをおすすめします。
3.1.マイナビ看護師:】全国規模で多種多様な求人が集まる大手求人
CMでもおなじみ、大手マイナビ社の手掛ける看護師転職サイトです。
大手の転職サイトだけあり、非公開求人の件数も多いです。
公式サイトには担当となる転職アドバイザーの紹介がありますので、安心感を持てると思います。
多くの人がいちばん不安を抱えている人間関係や職場の雰囲気に関しても、転職アドバイザーが求人元にヒアリングを行っています。とはいえ、感じ方は人それぞれですよね。あなたが実際に入職した後もしっかりとフォローしてもらえます。
3.2.看護roo!:病院・病棟での求人探しなら実力No1
東証一部上場企業である(株)クイックが運営しています。
首都、中部、関西の求人には特に強いので、該当する地域の方はぜひ登録してください。
看護rooは転職サイトとしての機能以外に、看護師同士のコミュニティサイト、スキルアップの紹介、看護用語をまとめた辞典などいろいろな機能を持っています。
求人を掲載する前にはかなり厳しい精査作業を行っており、過去に何かしらのトラブルを起こしている先の求人は掲載していません。こういった点からも安心感があります。
3.3.看護のお仕事:看護師求人ならまず利用すべき求人情報数
全国エリアの求人に対応しているので、地方での転職を検討している人にもおすすめです。
転職サイトでいちばん大切だとされる「転職アドバイザーとの相性」ですが、万が一合わないときは変更をお願いすることもできます。
不規則な勤務体系である看護師のために、電話対応は24時間・年中無休である点も心強いですね。
また、転職支援金が最大で12万円支給されます。
この支援金には「転職後もあなたの様子を聞くことで、求人先の情報を知りたい」といった意図も含められていますので、転職後もフォローが期待できます。
4.新卒の方へ おすすめの就職サイト
看護学校からのフォローもあると思いますが、国家試験対策を行ってくれるサイトもありますので、ぜひ併用して活用して下さい。
4.1.キャリタス看護:新卒看護師さん向けおすすめサイト
病院掲載数が第1位のサイトです。さらに全国の病院掲載だけではなく、
・病院合同説明会
・低学年から始められる国家試験対策テキストの提供
など、新卒者にとってうれしいサポートがあります。
看護学校の就職課や学生課によるサポートと併せて活用してください。
4.2.ナース専科
就職サイトとしての機能以外に、看護師同士がやり取りできる「看護学生向けの就職活動レポート」や「現場レポート」としての機能もあります。国家試験対策アプリは外出先でも活用できるのでおすすめです。
合同就職説明会も実施しています。
ぜひ、看護学校の就職課や学生課によるサポートと併せて活用してください。
5.まとめ
看護師の就職にまつわるあれこれをご紹介させて頂きましたが、いかがでしたか?すでにご存じである点もあったかと思いますが、お役に立てると幸いです。