看護師としてパート勤務を考えている今、何がいちばん気になりますか?
時給などの勤務条件でしょう?
どのような職場で働こうかという迷いでしょうか?
それとも、年収をどれくらいにセーブしようかという迷いでしょうか?
そもそも、パート勤務にするべきか、常勤にするべきかという迷いですか?
ブランクがあり、看護師としてパート勤務で復帰することへの不安な気持ち。
履歴書・職務経歴書を書くことが久しぶりでとまどう気持ち。
働く先の人間関係が複雑だったらどうしようという不安な気持ち。
どれもこれも当てはまり、どれがいちばん気になる点か決めることはむずかしいと思います。
そこで、あなたの不安な気持ちを払拭できるよう、看護師としてパート勤務するにあたり、色々考えなければならない条件などを決める時に先輩ナースの皆さんはどういった点をポイントにして決めてたのかを紹介していきます。
先輩ナースの皆さんの経験を参考にしながら、自分の求めるイメージに近づくためにどう考えればよいのか考えてみてください。
目次
1.パート勤務のメリットとデメリット
看護師としてパート勤務するにあたり、パートならではのメリットとデメリットが色々見えてくると思います。
人によって、メリットに感じる点がデメリットであったり、その逆であったりすることもあるかと思いますが、多くの人が感じているであろう点を整理してみましたのであなたの場合はどうなのかイメージしていてください。
1.1.パート勤務での就労におけるメリット
時間外勤務が少ない
看護師としてパート勤務する方の多くが、スキルアップのための学習会の出席や責任のある委員会への参加へは消極的です。
そして、職場もパート勤務の方にはスキルアップが必要な仕事を任せることはほとんどないので、参加を強制していません。
時給で区切られていて受け持ちやリーダーといった責任もないため、よほどのことがない限り残業も少ないです。
時間をしっかり分けて働きたいといういう方にはとても良い働き方です。
プライベート(家庭)を優先できる
看護師として常勤で働く人のほとんどが夜勤もこなしています。
パート勤務の場合は夜勤を免除したり、急な子どもの体調不良によって休んだりといった形であなたのプライベートを優先した働き方をすることができます。
子どもが小さいうちは、夜勤をせずにパート勤務で働く方があなたの心にも余裕が持てて良いのかもしれません。
常勤でも法律上は希望すれば夜勤を免除することもできますし、子どもの急な発熱のときは早退や欠席もできます。
しかし、気を遣うことですし、続くと職場の人間関係にも影響してくるのが現実ですよね。
家庭のことで優先的に時間を使いたいと思っている方にはとてもお勧めの働き方です。
社会の中に所属することで自分に自信が持てる
家事・育児、中でも育児は根気のいることです。
しかし、第三者から評価されることはほとんどないため、常勤で勤務しながら自分に自信を持ち、外見にも気にかけて輝いていたころの独身時代を忘れそうになることが多々あります。
当時と今のギャップが大きければ大きいほど、気持ちがネガティブになり、場合によっては鬱にもなってしまうことがあります。少しでも家庭とは別の社会に所属することによって自分の存在価値を再発見することができるようになり、気持ちのバランスを保てるようになるそうです。
パート勤務の場合は、家事や育児と両立しながら働きやすいため、精神面での安定のためにはちょうどいい働き方と言えます。
社会参加をすることで、上司や同僚から必要とされ、看護師としてのスキルも取り戻すことができるので、自分への自信につながります。
看護師として過去のスキルを評価して貰える
看護師としてパート勤務される方の大半が、3年前後の看護師としての常勤の経験のある方です。そのため、過去に取得した資格やスキルを評価し、必要としてくれる上司も多くいます。
例えば、過去に小児科で常勤として勤務していた方が内科のクリニックでパート勤務されているケースですと、小児の患者さんの対応のほとんどを任されることもあるようです。
糖尿病療養指導士の資格を持っている方に知識を聞かれることもあるようです。これもあなたの自信へとつながりますし、さらにスキルアップしようという気持ちになりますね。
1.2.パート勤務におけるデメリットとは
常勤との待遇の差が大きい
パートと常勤では責任の重さや仕事内容に差があるため、仕方がないといえば仕方がないのですが、給与の差が大きいことに不満を感じる方が多くいます。
「パートだから」軽く扱われてしまう
職場によりますが、常勤から軽く扱われ、今担当している仕事に追われていても色々な仕事を投げられて軽く扱われていると感じる方は多くいます。
常勤であった頃との差に葛藤するときもあると思いますが、今はパートだから仕方ないと割り切り、あなたの今の環境がひと段落したら常勤で働くことを考えても良いと思います。
自分の気持ちをセーブしなければいけない
常勤として勤務されていた頃の経験を基に、こうした方が良いのではないかと感じることも多くあると思います。しかし、ストレートに意見をいうことで人間関係に影響することもあるので、黙っておく方が多いですよね。
また、仕事内容に物足りなさを感じたり、キャリアアップしていく常勤の方が羨ましいと感じたりすることも多くあると思います。パート勤務である間は、仕事に対する意見やキャリアアップへの意欲はセーブしなければいけないことが多いです。
2.気になる!時給などの勤務条件あれこれ
2.1.勤務条件の中での特に重要な時給について
看護師としてパート勤務するにあたり、いちばん気になるのは時給だという方が大半ですよね。
タウンワークのデータによりますと、平均時給はそれぞれ都心で1,700円前後、中核都市で1,500円前後、地方で1,200円前後と地域によってばらつきがあります。
求人を見る際、お住いによりますが1,400円前後を目安に御覧になってください。もちろん、時給がずっとそのままというわけではありませんので、時給以外の面もチェックしましょう。
深夜のみですと、時給3,000円前後のケースもありますが、夜勤のパート勤務を希望する人は少ないですよね。
また、常勤の方との格差をできるだけなくし、公正な待遇が保たれるように「パート労働法」があります。
職務内容が正社員と同じで、人材活用(人事異動など)の仕組みが正社員と同じであれば、正社員との差別的な取り扱いが禁止されています。
事業主はパートで働く人からの相談に応じ、対応しなければならないとされています。
ですので、あまりにも不当な扱いを受けた時はがまんせず、職場内の相談できる部署に相談したり、のっぴきならないときは労働基準監督署に相談したり何らかの行動をとりましょう。
2.2.働き方次第ではとても重要は条件の社会保険
社会保険、「健康保険」と「厚生年金保険」のことですね。
パート、アルバイトといった非常勤で働く人が社会保険に加入するためには、常勤の人の労働時間の3/4以上働いていることが条件です。
常勤の人の勤務時間はだいたい1日8時間、1週間だと40時間ですので、パート、アルバイト勤務の人の場合は週30時間の勤務が必要です。
ご家庭のある人は配偶者控除を使うことで受けられるメリットも多くありますので、よく考えておきましょう。
2.3.案外確認しないと蔑ろになっている雇用保険
雇用保険とは、週20時間以上・31日以上勤務した人が加入する保険です。
受給条件は離職前の2年間に11日以上勤務している月が合計で12回以上必要であることと、再就職の意思があることです。
パート勤務する方のほとんどに適用される制度ですが、求人を見る際は念のためチェックしておきましょう。
参照元:https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_guide.html
2.4.なかなか言いづらいけど条件として非常に大切な有給の有無
パート勤務を始めた日から6か月勤務した時点で、全労働日の8割以上勤務した人には10日間の有給休暇を与えてくださいと労働基準法で定められています。
日数は半年ごとに見直されて1日ずつ増えていき、最大で6.5年勤務すると20日になります。ただ、週の労働時間が常勤の人よりも短いため、有給休暇を付与される日数は比例付与されます。
したがって、スタートは10日よりも少なくなります。
このように法律で守られているので、勤務先によって有給が取りづらいこともあると思いますが、他のパート勤務の人の様子も見ながら有給を消化しましょう。
3.気になる!配偶者控除や社会保険料など
3.1.配偶者控除を受けることができる103万円
配偶者控除の範囲内で働きたいと思う人は、必ず事前に雇用主に伝えておきましょう。
予想外の税金や社会保険料を支払うことになってしまってはいけません。
配偶者控除、扶養控除とは扶養家族がいる納税者の税負担を軽くする制度です。
配偶者控除の基準は「合計所得金額が38万円以下」であることです。
年収が103万円以下というのは、どこにも記載されていません。
パートによる収入は給与所得になり、給与所得控除として最低で65万円差し引くことができます。
そのため、
103万円(給与所得)-65万円(給与所得控除)=38万円(合計所得金額)
となります。
合計所得金額が38万円を超えて76万円未満(給与所得だと103万円を超えて141万円未満)の場合は配偶者特別控除の適用を受けることができます。
ですので、給与所得が103万円を超えるとまったく配偶者控除の対象にならないわけではありません。
平成30年以降は税制改正にともない、配偶者特別控除の幅が大きくなります。
また、納税者の所得金額に応じて所得控除の幅は減り、納税者の所得金額が1,000万円を超えると配偶者特別控除の対象にはなりません。
勤務できる日数や時間帯は短くなりますが、子どもが小さい間はこの範囲内で勤務し、少しずつ増やしていき、いずれは常勤を目指すという考え方がいちばん良いのかもしれません。
3.2.案外知らない社会保険料の負担
年収が130万円を超えると第3号被保険者から外れ、自分で保険料を負担しなくてはいけない。そう思っている人が多いと思います。
平成28年以降は改正に伴い、下記の方も保険料を負担しています。
・1か月の給与所得が88,000円以上あること
・続けて勤務することが1年以上見込まれること
・勤務先の従業員が501人以上であること
自分には関係ないと思っていても、たとえば総合病院で長く安定して勤務し、週20時間以上勤務しているとあてはまります。気になる点ですので、雇用主に確認したいですね。
3.3.普通にありうる残業もしっかり給与としてもらうための残業手当の有無
パートは時給制なので、定時になれば帰宅できます。しかし、職場によっては常勤と同じように残業をこなしているものの、残業手当に関してはあいまいなケースもあります。
家庭との両立のためにパートを選択しているのに、残業があまりに多くてはいけませんので、事前にきちんと確認してください。
3.4.見えない痛手になりやすい通勤手当の有無
通勤手当は全額支給されるところを選ぶのが大切です。上限額を設定している職場もあり、場合によっては損をしてしまうこともあります。
さらに、車で通勤する人は、ガソリン代や駐車場代が通勤手当として支給されるのかもチェックしてください。
4.ブランクがある人にも安心!パートで働く看護師の職場
パートとして看護師で勤務を始める人のほとんどが、何らかの理由でブランクがあると思います。
復職するにあたり、スキルを取り戻すのに時間がかかるといった不安が人それぞれあると思いますので、ブランクがあっても働きやすい職場を数か所ご紹介します。
4.1.主婦に人気のクリニック勤務
病床数が20以下はクリニックにあたります。入院設備自体がないクリニックも多いです。
クリニックの大半が診察時間は午前と午後のみといったかたちで区切られているので、勤務時間をセーブしたい方におすすめです。さらに、職場によっては通勤時間をぐんと短くできます。
過去に経験のある診療科のクリニックですと、なおさら安心感もありますね。
4.2.わりとゆったりケアができる療養型病棟の勤務
患者さんの容態の急変や救急搬送がほとんどないので、落ち着いて看護にあたることができます。
急性期病棟にあるような、バタバタと看護に追われることは少ないと思います。
4.3.最近ではバランスが良いと人気になってきているのが介護施設
介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、有料老人ホームは入居者さんのバイタルチェックや服薬管理、健康面のケアなどがメインになりますので、日々の仕事が決まっていますし、医療行為は少ないです。
しかし、看護師の数が少ないので1人で担当する人が多く、重要な判断を任されることもあるため、過去の経験年数が長い方が有利です。
看護師も夜勤をこなすところもありますので、パート勤務の場合の夜勤の有無はしっかり確認してください。
4.4.看護とはまた違うケアを求めらえるデイサービス
利用者さんの服薬管理、健康面などのケアがメインになりますので、医療行為は少ないです。
しかし、介護施設と同じく重要は判断をしなければいけなかったり、一人で担当する利用者さんが多かったりしますので、過去の経験年数が長い方が有利です。
他の職場に比べると、時給が低めな職場が多いです。
4.5.若い人に人気の残業の無い職場健診センター
主な仕事は事前の説明、採血、血圧測定、心電図測定、医師の補助といったもので健診に来た人のサポートを行います。
健診センターに来てもらって健診を行うところから、バスなどで移動して健診を実施するところまでさまざまです。移動を伴う場合は、出勤時間がとても速いケースもあります。
おすすめの職場ですが、勤務時間は要チェックです。
4.6.非常にゆったりして予定が立てやすい職場として人気の透析科の勤務
透析科に通う患者さんは定期的に人工透析を受けにきている人がほとんどですので、決まった看護を日々安定して続けることになります。
療養病棟と同じく、最初は落ち着いてスキルを取り戻したいという方におすすめです。
5.パート勤務の方におすすめ!看護師の求人サイト3選
看護師としてパート勤務を考えている方にもおすすめの、看護師の求人サイトがあります。
会社によって若干の差はありますが、ほとんど下記のようなサービスを受けることができ
・面談の上で、キャリアに関するアドバイスや求人紹介を行う。
・求人では見えてこない職場の詳しい情報提供を行う(人間関係、残業の有無など)。
・履歴書、職務経歴書の作成アドバイスを行う。
・面接の日程調節、アドバイス、面接への同行を行う(ケースバイケース)。
・勤務条件(時給、社会保険、勤務する時間帯など)に関する交渉を行う。
・内定後、フォローを行う。
ブランクがあり、再就職を考えている人にとっては心強い存在ではないかと思います。もちろん、ハローワークなどの求人も見ながらで大丈夫です。
5.1.大手の安心感と幅広いニーズに対応できるマイナビ看護師
正社員の求人だけではなく、パート・アルバイト、契約社員、業務委託その他の看護師求人と幅広く扱っているので、パートでの勤務を希望している人にも心強い存在です。
求人からは見えてこない情報に関してはしっかりと把握しています。それは、採用担当者とマイナビ看護師のキャリアアドバイザーとの積み上げてきた信頼関係が深く、直接求人元に調査を行うことができるからです。
過去の利用者からの評価も高いものが多いです。ぜひ、登録する1社として検討してみてください。
5.2.昔ながらの情報サイト、先輩がたくさんお世話になっている看護roo!
常勤、パート(非常勤)、契約社員の求人を扱っています。
内部情報は詳しい点まで教えてもらえます。例えば職場の様子(院内設備、残業、休暇の取得率、現場の声など)、職場の雰囲気(看護師の年齢構成、過去の看護師の退職理由、看護部長の人柄など)です。その他、スキルアップに関することや夜勤に関することなど、あなたが疑問に思うことは何でも投げかけてください。
かなり詳しい情報まで知ることができますので、転職後のミスマッチを防ぐことができると思います。キャリアアドバイザーの質も高いと過去の利用者から口コミサイトなどにコメントが寄せられています。
5.3.まだまだ新しいですが、非常に人気のあるサービス看護のお仕事
多くの転職サイトが8:00から19:00あたりで受付時間を設けている中で画期的です。看護師は不規則な生活をしている人が多い点に配慮してくれています。
入職後のフォローもしっかりしていてお祝い金が支給されるケースもあります。ぜひ、登録する1社として検討してみてください。
6.まとめ
看護師のパートに関する情報をまとめましたが、いかがでしたか?
メリットとデメリットがありますが、パート勤務をしている期間もキャリアアップの選択肢について考えたり、担当している仕事を最後まで
責任をもって行ったり、色々な形であなたの成長を目指すことができます。
やきもき感じてしまうことも多いと思いますが、今はパートをしている期間だからと割り切り、将来的に正社員を目指すようにしましょう。