赤ちゃんとの生活も慣れてきた頃、次に起こるトラブルは乳児湿疹ではないでしょうか。
大なり小なり、大半の赤ちゃんが通る肌のトラブルだと思います。同じ新生児を持つママ友同士、会話は乳児湿疹の悩みばかりでした。
特にお食い初めの時期が一番ひどく、写真がどれも痛々しい顔をしていました。赤ちゃんにとっても初めての試練だと思います。
乳児湿疹が強く出る赤ちゃんもいますし、軽い赤ちゃんもいます。しかし、親の心配はみな同じです。
ここでは乳児湿疹について色々調べて、これからの育児に役立てたいママさんや、今子どもが乳児湿疹の症状が出ていてケア方法を探しているママさんまで解決策が見つかる内容を紹介しています。
読み終わるころにはきっと役立つ知識を得ているはずです。是非活用してみてください。
乳児湿疹に関する記事もありますので是非参考にしてみてください。


目次
- 2.乳児湿疹について
- 3.乳児湿疹の症状が似ていて間違えやすい病気
- 4.日頃のケアはどうやるの?乳児湿疹のケア方法や用品など
- 5.薬が必要になる場合もある乳児湿疹、どういった事を意識したらいいの?
- 6.ステロイド剤は怖くない(私の体験談)
- 7.おわりに
2.乳児湿疹について
2.1.乳児湿疹はなぜ起きるのか?
赤ちゃんの肌のバリア力が弱いことによって、様々な要因で湿疹が出てしまいます。それらの症状を総称した乳児湿疹はほとんどの赤ちゃんでみられる症状で、それほど珍しいものではありません。
それこそ、肌のカサカサした状態のモノもあれば、逆に油でグシュグシュした状態のものもあります。症状の場所も顔や首、耳などが代表的ですが体全体、手足の先まであらゆる場所に現れます。
2.2.どういったことが原因で乳児湿疹が起こるといわれているのか
赤ちゃんはご存知の通り、新陳代謝が非常に活発です。特に生後6カ月頃までは母親からの影響(ホルモン等)で皮脂が分泌されます。
しかし一方皮脂を分泌するための毛穴の成長がまだまだ未熟なため、脂がつまりやすく新生児ニキビや脂漏性皮膚炎などの原因となりやすいです。
2つ目の原因は乾燥への耐性が弱いことにより、痒みを伴うことが多い乾燥性皮膚炎を引き起こすことがあります。
最後は肌の角質層が弱いことが原因で、ばい菌やアレルゲンなどの物質が肌に入りやすいことが原因でおむつかぶれやあせも、アレルギーの反応などを引き起こすこと原因となっています。
いずれにしても、これらの原因から引き起こす症状は赤ちゃん毎に異なりますので、我が子がどういった症状なのかしっかり観てあげることが、ケアの第一歩といえます。
2.3.乳児湿疹の症状が現れる場所とケアの方法について
2.3.1.耳・首が怪しい。もしかしたら乳児湿疹かも?確認したいポイントとケア方法
耳、首は赤ちゃんが仰向けで寝るので、涙やよだれ、ミルクなどの残りが集まって湿疹になりやすい場所です。
首周りの症状の例
乳児湿疹のケアの基本は「キレイな状態を維持する」ことと「保湿を丁寧にする」ことです。
耳や首に乳児湿疹が見られる場合は、おむつ替えや授乳などのタイミングで一緒に耳や首をチェックしてあげるようにしましょう。
汚れているようなら、清潔なガーゼでふき取ってあげ、お風呂では丁寧に石鹸で洗うようにしたいですね。
実は赤ちゃんの首や耳の裏はしわが深くて奥まで意識しないと洗い忘れてしまうことが多い箇所です。
手でしわを伸ばすようにしながら丁寧に洗ってあげるようにしましょう。
2.3.2.頭・顔がもしかしたら乳児湿疹かも?脂漏性皮膚炎の症状とケア方法など
脂漏性湿疹や皮膚炎は、おでこや眉毛、髪の毛の生え際に現れる黄色いかさぶたのような湿疹や炎症を言います。
頭皮の症状の例
耳、鼻の症状の例
まゆげの症状の例
乳児湿疹の原因の一つ、新陳代謝のスピードと分泌のバランスのズレによっておこるといわれています。
このバランス自体生後4~6カ月程度で落ち着いてくるといわれていて、それと同時にこの湿疹も治まってきます。
病院に行くタイミングは?ステロイドの使用はどう考えればいいのか
脂漏性湿疹は治療せずに放置しておくと、細菌感染が起こって赤くなることがあります。
軽ければ後で説明するようなケアを自宅で進めるだけでいいかもしれませんが、湿疹が厚くなってきたら小児科や皮膚科へ受診するように意識しておきましょう。
自宅でできるケアの方法や注意点は
脂漏性湿疹のケアのポイントは皮脂がたまらない様に入浴で頭皮や顔を清潔に洗浄することです。
ケア方法はまず、頭皮の湿疹部にオイルをしみこませたコットンなどを馴染ませてふやけさせることから始めます。
患部がふやけてきたところで、ベビー用シャンプーを使って地肌を優しく洗いかさぶたを取ってあげます。
生活空間も清潔を意識しておきましょう。シーツや枕カバーなどの寝具は毎日交換するか、ダメな場合でも清潔に保てるように心がけたいところです。
2.3.3.新生児ニキビの症状とケア方法など
顔、まゆげ、おでこ、ほっぺ、口周りの症状の例
新生児ニキビは生後1カ月程度までよく見られる乳児湿疹の1種です。赤ちゃんによってはカサカサしたり、ジュクジュクになったりと症状が異なりますので注意が必要です。
大人と一緒で白い脂のようなものが中央に入っている赤い湿疹がでていたら新生児ニキビとして考えてもいいでしょう。
これが徐々に炎症を起こして膿んだり白くなったりしていくことがあります。
新生児ニキビができる原因って何?
通常のニキビと同じように新生児ニキビが生じる原因もホルモンバランスの変化によって皮脂が詰まってしまい炎症を起こすことと言われています。
また、衣服や布団などの汚れによって肌が反応してしまうことなども原因の一つと言われていますので、こまめに洗う・キレイにするという状態を保つように心がけましょう。
入浴時には顔までしっかり石鹸の泡で洗ってあげて脂を落としてあげましょう。
すすぎの時にはシャワーだけではなく、ガーゼや柔らかいタオルで優しく拭いてあげるとよいでしょう。
新生児ニキビのケア方法はどうすればいいのか?
他の乳児湿疹のケア方法と同じく、基本的には「キレイな状態を維持すること」と「保湿を丁寧にする」ことがあげられます。
そのうえで、衣服やシーツ寝具などをこまめに洗濯するなど清潔に保つように心がけたいところです。
また、ニキビが悪化してかさぶたになることもありますが、赤ちゃんが掻いたりしてはがさないようにしてください。
無理にはがすと悪化したり跡に残ったりするかもしれません。
新生児ニキビで病院に行く必要はあるのか?
基本的には自宅でケアをきちんと続けていれば良いという判断になります。それでもひどく化膿したり、乾燥した状態が続くようなら病院へ行く必要がありますが、その場合でも新生児ニキビの場合は自宅でのケアを指導される程度という事が多いようです。
2.3.4.あせもの症状とケア方法など
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あせもは、新生児からだいたい3か月くらいまでの赤ちゃんに見られることが多いです。
汗のたまりやすい首回り、間接の裏側、お尻、背中などが出やすいです。強めの痒みを伴うことが多く、赤ちゃんによっては掻き傷を作ってしまうこともあります。
あせものケアの方法や自宅でできることは?
他の乳児湿疹のケア方法と同じく、基本的には「キレイな状態を維持すること」と「保湿を丁寧にする」ことが大事です。
また、あせもの原因は赤ちゃんの服装や布団のかけすぎにもあります。
赤ちゃんは大人よりも体温が高めなので、布団をかけすぎたり、服を着せすぎてしまう事がよくあります。体温調整は大人とは少し違う感覚なので注意してあげましょう。
2.3.5.乳児アトピーの症状とケア方法など
アトピー性皮膚炎と乳児湿疹はかなりの熟練したドクターでもなかなか見分けがつかないと言われていて、一般論としては症状の継続期間が基準となっています。
大体6カ月以上その症状が続くようならアトピーを疑うことになります。
そもそも乳児アトピーってどんな病気なのか?乳児湿疹との違いは?
アトピーは皮膚にアレルギー反応による炎症が現れるもので、何かしらのアレルゲンによる反応で起こるものとされています。
よく症状がでる部位は頭部、顔、耳のうしろ、ひじ、膝など間接部分などが多く、非常に強い痒みがあり、時には掻きすぎてキズになってしまうほどです。
乳児湿疹とは原因が異なりますが、その症状の違いを説明するのは熟練の医者でも難しいとされています。
一般的には症状が6カ月以上続くようならアトピーを疑う必要がでてくるという流れになってきます。
乳児アトピーの一般的な治療方法
病気の治療法はあくまでも地域の小児科の先生の判断となりますが、ここでは一般的に言われている内容を紹介していきます。
乳児湿疹のケアを一定期間継続しても症状が良くならない場合、もしくは悪化するなどの事態が発生したらアトピー性皮膚炎の診断に向けて準備を進めることになります。
もし、アトピー性皮膚炎の可能性が高いと思われたらアレルギー科のあるクリニックへ受診することおすすめします。
アトピー性による皮膚炎の場合はアレルゲンの特定と除去が第一だからです。アレルギー科にかかることで的確に対応をしてもらえる可能性が高いため、是非検討してみてください。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎は、成長して年齢が高くなるにつれて、症状が良くなる割合が高いとされています。
例えば、生後4ヶ月の赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の約70%は1歳6ヶ月には治り、1歳6ヶ月児の約50%が3歳には治癒したという報告があります。
ステロイドの使用についてどう考えればいいか
アトピー性皮膚炎での治療ではよく利用されるステロイド系の薬ですが、副作用を心配して使用を控えるお母さんも多くいます。
ステロイド系はアトピー性皮膚炎の治療には有効と言われていて、医師の指示や相談のもと適切な使用量であれば副作用も抑えて利用できるといわれています。
使用を拒絶するのではなく、医師に相談の上一番赤ちゃんにとって適切な方法を検討するのが良いでしょう。
アトピー性皮膚炎の自宅でのケア
基本的には乳児湿疹の日常ケアと同じく「キレイな状態を維持すること」と「保湿を丁寧にする」ことがあげられます。
そのほかにアトピーへの刺激につながらないように以下のようなケアをしてあげることもおすすめします。
唾液や汗が刺激になる
汗や唾液が皮膚に触れてアトピーを悪化させてしまうことがあります。できることなら、汗はシャワーで適宜流してあげるようにしてあげたいところです。濡らした柔らかいガーゼでふき取ってあげるのもいいです。
衣服が肌に触れるだけでも刺激になる
自分の服が肌に触れるだけで強い痒みになってしまうことがあります。洗剤の残りカスが刺激になってアトピーが悪化する場合もありますので普段身に着けているものにも注意してあげましょう。
2.4.乳児湿疹はいつまで続くのか、一般的な月齢を紹介
乳児湿疹の多くは産後6カ月くらいまでに起こる赤ちゃんの体の変化に皮脂などの分泌物の排出が追い付かないことが原因であるケースが多く、お母さんが通常の生活内で普通のケアを進めていれば自然と治まるとされています。
きちんとケアをしていてもなかなか症状が回復する見込みもなく、悪化していると感じる場合はアトピーやアレルギーなどの原因も視野に入ってきます。
そうなってくると少し時間が必要になってきますが、それも赤ちゃん毎に違うので、焦らずに、他人の子供と比較せず自分の赤ちゃんと一緒に進んでいく気持ちを持ちたいですね。
2.4.1.第1乳児湿疹期間(生後2週間~生後2ヵ月まで)
主な原因
生まれて間もない赤ちゃんは、ホルモンのバランスが不安定であり、皮脂が多く分泌されます。まだ毛穴が小さく皮脂が詰まりやすく新生児ニキビになりやすいと言われています。
2.4.2.第2乳児湿疹期間(生後3ヵ月~生後10ヵ月まで)
主な原因
生後3ヵ月を過ぎる頃には、皮脂の分泌量が落ち着きます。まだ薄い赤ちゃんの肌は乾燥し始めます。外出機会も増え、外気にあたる時間も増えてきますが、まだまだデリケートな肌ですのですぐにトラブルになります。
特にヨダレが出始める時期や、離乳食を始める時期になると口元が汚れるたびに拭くことが原因の1つにあります。
夏から秋生まれの赤ちゃんは、すぐに冬を迎えるので注意したいものです。
2.4.3.第3乳児湿疹期間(生後11ヵ月~1歳すぎまで)
主な原因
1歳前後になると新生児の時に比べ、比較的肌も丈夫になってきます。
しかし、この年月頃からは、掻きむしることが多くなり治りにくくなります。
またいろんな食事にチャレンジし始める時期でもありますので、食物アレルギーが関係している場合もあります。根気強くケアする必要があります。
2.5.母乳の影響?乳児湿疹と母乳の関係について
新生児ニキビの原因が母親の母乳の影響だという考えがありますが、原因はたくさんある要因の一つにしかすぎませんのでそれほど神経質になることはありません。
ただ、揚げ物や乳製品の摂取を少し減らしてみるのはいいかもしれません。母親が脂分の多いものを食べていると母乳にもその栄養が回り、赤ちゃんにも脂質を多く渡すことにつながるのも事実です。
あえておすすめの料理をいうなら、和食系が良いと言われています。洋食に比べて脂肪分が少ないので母乳の質が高めるには良い食事だからです。
とはいってもあまりに食事を意識しすぎるとストレスがかかってしまい、母乳に影響がでることもあり得ますので適度を心がけましょう。
乳児湿疹の原因になりやすい食べ物
ケーキ、チョコレート、スナック菓子 | 糖分や脂肪分が多い。 |
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牛乳 チーズ、卵白 | タンパク質が多く含まれる。 |
そば | そばアレルギーを持っている可能性がある。 |
ラーメン、パスタ、牛肉 | 油分が多い。 |
ノンアルコールビール | アルコール成分あり。 |
上記に挙げた食べ物を大量に摂取することにより、母乳がドロドロし脂っぽくなるため、赤ちゃんが消化出来ずに湿疹として現れることはあります。ノンアルコールは微量ですがアルコールが含まれています。
念の為に2~3時間空け、搾乳後に授乳しましょう。
すべてに制限をかけてしまうとお母さんのストレスにもなります。出来る事から改善していきましょう。
2.6.病院に連れて行くタイミング
乳児湿疹が出来始め、病院に連れて行く時に迷うことがあります。
赤ちゃんだから小児科?肌のことだから皮膚科?と迷います。
赤ちゃんのことに関してプロである小児科、皮膚のプロである皮膚科、どちらに受診してもいいと思います。
乳児湿疹はよくある症状なこともあり、簡単に診察が終わってしまうことがあります。
でも親にとったらあっさり過ぎて不安になることもしばしばあります。
小児科でも皮膚科でも、納得のいく病院を見つける方がよいと思います。
心配で聞きたい事がたくさんあるのに、話が出来ないと余計に心配になります。
しっかり話を聞いてもらえる先生だと安心して治療できます。
病院へ連れていくタイミングも様々ですが、小さな湿疹程度なら自宅のケアで十分完治すると思いますが、炎症があり、痒みが強い場合は早めに受診した方が治も早いように思います。悪化してからでは赤ちゃんにも負担になります。
3.乳児湿疹の症状が似ていて間違えやすい病気
乳児湿疹の症状と似ていて間違われやすい病気を紹介したいと思います。
3.1.アトピーやアレルギー
湿疹とアトピーの見分けは大変難しく、まして赤ちゃんの場合は一概に決めつけることは難しいようです。
アトピー性皮膚炎は生後6ヵ月以降に診断がされることが多く、乳児湿疹が少し落ち着く時期でもあります。
また繰り返しおこる痒みの場合に、アトピーや食事や環境によるアレルギーと診断されることが多いようです。
3.2.予防接種による反応
予防接種を受けた数日から1週間後に湿疹が出来る場合があります。
予防接種による副反応で、発熱や湿疹と伴うケースもあります。普段より体調が優れない時には必ず受診をお勧めします。
3.3.蕁麻疹
蕁麻疹は体に赤く腫れあがる場合や、唇や口の中にも現れる発疹です。
強い痒みを伴い、場合によってアナフィラキシーショックを起こす場合があります。すぐに症状がひけば良いですが、注意が必要です。
3.4.中毒疹
現在では原因不明の全身に発疹ができる症状。全身、左右対称に紅斑が表れ、強い痒みを伴います。
3.5.突発性発疹
突発性発疹は、高熱(38~40度ぐらい)が3~4日続きます。熱が下がるころに発疹が現れます。
風邪の症状もなく比較的元気に過ごしていることが特徴です。生後6~12ヵ月に多く見られ、2回かかる場合もあります。
お腹や背中に赤い発疹が多くみられますが、2~3日程度で症状は治まります。
突発性発疹については「突発性発疹?子どもに高熱と全身発疹の症状が出た時の対処法とは」という記事も書いていますので是非参考にしてみてください。

3.6.ダニ
赤ちゃんのアレルギー反応を起こすダニやチリダニは、肌からの侵入もありますが、口や鼻から吸い込むことでアレルギーをおこすことがあります。
日ごろから掃除機をしていてもなかなか取り除くことは難しいのですが、毎日こまめに掃除することで対策を取ることができます。
4.日頃のケアはどうやるの?乳児湿疹のケア方法や用品など
乳児湿疹はお母さんがどれだけ丁寧にお世話をしてあげても発症してしまうものです。
しかし基本的には自然と治まっていくものなのでそれほど不安がる必要もありません。
とはいっても、日頃のケアをちゃんとしておかないと症状が悪化してしまう可能性はあります。
乳児湿疹のケアは大きく2つと言われています。一つは「キレイな状態を維持する」こと、もうひとつは「保湿を丁寧にする」ことです。
乳児湿疹の原因は3種類あると説明してきましたがどの原因だとしても、この2つのケアを丁寧にすることで赤ちゃんの肌を適切に守ってあげることができます。
4.1.皮脂の分泌が多い赤ちゃんのケア方法とは
皮脂の分泌が多い赤ちゃんのケアのポイントは脂を取ることです。
たとえば、汗をかいたと思ったらすぐふき取ってあげる、着替えをしてあげる。おっぱいやミルクなど脂分に触れたら口元も丁寧にふき取ってあげる。
お風呂でも石鹸を泡立てて、優しく体を洗ってあげるようにしましょう。
そのあとはすすぎ残しがないようにシャワーで丁寧に流してあげることも忘れないようにしましょう。
清潔なガーゼで刺激を当てないようにポンポンと軽く叩くイメージで拭いてあげるようにすると良いでしょう。
ちなみに色々な専門家の意見を集めてみると、乳児湿疹の期間のお風呂の入り方は、しっかり石鹸で洗い、しっかり保湿するという意見。
ガーゼで優しく拭いてあげるだけで良いという意見に分かれるのが現状です。
泡で出てくる石鹸ボディーソープで洗って、入浴させることで肌の改善はみられました。
4.2.乾燥している赤ちゃんのケア方法とは
肌が乾燥しやすい赤ちゃんにはベビー用のローションや保湿クリームを塗ってあげるとよいでしょう。
特にお風呂上りは乾燥しやすくなるので意識して保湿するようにしたいです。
また、意外に忘れがちですが室内の温度や湿度の調整はとても大切なことです。忘れないように心がけたいですね。
お風呂に入れるときにもいくつか注意が必要です。
乾燥しやすい赤ちゃんは体を洗う時に強く洗ってしまうと皮脂を落としすぎてしまので、泡で肌をなでるようにして洗います。
さらにお湯に長い時間浸かることも皮脂が落ちる原因となってしまいますので、38~39度のぬるま湯にして、時間は10分を目途にします。
入浴の際に気を付けていた事は、お湯の温度と入浴時間でした。
熱すぎるお湯や、入浴時間が長いと乾燥を招きます。
結構慌ただしく、重労働ではありますが、慣れれば出来るようになりました。
4.3.保湿の重要性
赤ちゃんの保湿は、その後の肌質に影響があるとされています。
特に新生児から1歳までのスキンケアでアトピーの予防に大きく関わりがあるとされ、健診の時にも肌のチェックをされ、指導されます。
特に肌のバリアが未完成な赤ちゃんにとって、保湿をすることで外気から肌を守り、トラブルを防ぎます。
そして、スキンケア=スキンシップの時間でもあります。
赤ちゃんは肌に触れることで、お母さんやお父さんの体温を感じ、赤ちゃんはリラックス出来ます。
お母さんやお父さんは、赤ちゃんの変化にも気付いてあげられる大切な時間にもなります。
1日数回のスキンケアです。動き回るようになれば大変な作業ですが、スキンシップだと思えば少しは楽になるのではないでしょうか。
4.4.ミルクやおしりふきを変えてみる
乳児湿疹の原因として、ミルクやおしりふきの成分などが考えられます。
基本は母乳で育てているが、寝る前だけはミルクを与えると湿疹が出るなどの場合、ミルクに含まれるタンパク質が原因の可能性があります。
アレルギー用の粉ミルクに変えることで改善されることもあります。
また、おしりふきの成分で肌荒れすることはあります。
お尻だけでなく、口元や手を拭く事が多いのですが、おしりふきに使用されているパラベンやPGなどに反応する可能性もあります。
同じように見えるおしりふきも、結構成分が違うものです。
私も産後に手荒れに悩まされたのですが、原因は床掃除で使っていたおしりふきでした。
他のメーカーに変えた途端に手荒れがましになっていきました。
お尻のケアといえば、オムツとの相性も大切です。赤ちゃんにあったオムツを選ぶコツをまとめた記事がありますので参考にしてください。

5.薬が必要になる場合もある乳児湿疹、どういった事を意識したらいいの?
乳児湿疹も湿疹がひどく症状を抑えたい時には薬を使って治療することもあります。
しかし、まだまだ小さい子どもに薬を使うのは少し心配ですよね。
そこで一般的にはどういった対処をしているのか、薬を使う場合はどういった注意点があるのか説明していきます。
5.1.市販のクリームでのケア
薬を使う前に市販で売っているクリームやオイルなど日常ケアで先輩ママさんたちが良く使っているものを紹介していきます。
市販の赤ちゃんのスキンケア商品はたくさんあり、正直どれが我が子に合うか迷うところです。
ここではそんなお母さんに有名な製品を紹介したいと思います。
5.1.1.ママ&キッズ(ナチュラルサイエンス)
皮膚科専門医の協力のもと開発された低刺激スキンケアクリームです。
妊婦期間中に妊娠線や肉割れ予防で検索された方は、一度はママ&キッズの商品を見たことがあるのではないでしょうか。
デリケートな赤ちゃんの肌を研究し、生まれたその日から使えるように胎内の環境をお手本にした成分で作られています。
ママ&キッズには、スキンケア商品のほかにもシャンプーやボディーソープなど入浴時の商品が揃います。
私としてはオススメできる商品です。
5.1.2.馬油(ソンバーユ)
馬油は、その名のとおり馬の油(脂肪)です。
中国では5~6世紀ごろから。日本でも奈良時代から使用されてきたスキンケア商品です。火傷やケガによく使われていたようです。
長く愛されてきた馬油ですから、年配の方に勧められることも多いと思います。
多少独特のにおいはありますが、肌に負担をかけにくい使いやすい商品だと思います。
赤ちゃん用の馬油、ピュアバーム(カネソン)やベービーバーユマドンナ(天然ミツロウ入り)などがあり、乾燥肌に強い商品です。
どの商品でもあり得ることですが、
様子を見ながら徐々に使って行くことをオススメします。
5.1.3.アトピタ(丹平製薬株式会社)
アトピタは赤ちゃんのお肌の水分・油分不足に着目し、保湿を重点的に考えられた商品です。
アトピタもボディーソープやローションタイプの乳液やクリームが販売されており、ライン使い出来ます。
5.1.4.パックスベビー・カレンドラ・アロベビー
パックスベビーやカレンドラの商品も全身スキンケアのラインが揃っています。
パックスの商品は、化学物質を使用しない石鹸で乳化した保湿クリームで、皮脂の組成に近づけるためにマカデミアナッツ油を使用しています。
合成界面活性剤や合成酸化防腐剤不使用、無香料無着色の商品です。
商品的にはあまりべたつきにくく、普段の保湿クリームとしては安心して使える商品だと思います。
カレンドラは、カレンドラというキク科の植物から抽出された商品です。
ヨーロッパでは敏感肌のケアに長年使われてきました。
保湿的には問題なく、お肌にも優しい有機栽培農法で栽培されたものを使用していますが、外国の商品特有といいますか、少し匂いがきつく感じます。
お母さんのリラックスには最適ですが、ここは意見が分かれそうに思います。
アロベビーのミルクローションは、天然由来成分99%以上のオーガニックローションになります。
開発から製造まですべて日本で作られている純国産商品になります。
5.1.5.ベービーローション・オイル(ジョンソンエンドジョンソン)
子どもの頃から我が家にあったと思われる、長年愛されてきたベビーローションです。
ローションタイプや乳液、オイルとタイプによって使い分け出来る低刺激な商品です。
オイルは入浴時のかさぶたケアやお臍や耳のケアなど万能に使えます。
5.2.乳児湿疹に市販の薬を使うのは良いのか?
親心としては、いきなり病院に行くよりはまずは市販の薬で試してみたいという考えになりますよね。
しかし、できることなら逆にまず小児科へ受診することをおすすめします。
そもそも乳児湿疹は色々な原因があり、色々な症状があります。原因もわからない状態で自己判断をとり市販の薬を使うというのは少し危ないと思いませんか?
「キレイな状態を維持する」こと、もうひとつは「保湿を丁寧にする」ことの肌を守るための2つのケアを実践しながら診察をしてもらった方が良いでしょう。そのうえで、医師に相談をして適切な薬を確認するのが良いです。
5.3.乳児湿疹に保湿薬を使うのは良いのか?
スタデルム軟膏、アズノール軟膏などは保湿を目的として処方されることが多い薬です。
これらの軟膏は乳児湿疹やアトピー性皮膚炎に対して処方されることが多いようですが、薬が肌に合わずに悪化させる可能性があるとも指摘されているものです。
医師も100%的確な診断ができるわけではありません。使っているうちに子ども様子がおかしいなと感じたすぐに利用をやめて医師へ相談するようにしたいです。
保湿系のケアはマッサージオイルやベビーローションなどでこまめに保湿をしてあげることから始めたいですね。
乾燥による湿疹の症状が重たいときには、ワセリンなどで対処してあげるとよいでしょう。
5.4.乳児湿疹へのステロイド系の薬との向き合い方
リンデロン、リドメックス、ロコイドあたりが有名ではないでしょうか。大体3番目か4番目当たりの強さのステロイドが処方されることが一般的です。
ステロイド系の薬は依存性が高く一度使い続けるとそれが当たり前になってしまい、使用を辞めると症状が悪化する可能性があると言われています。
従って利用は局所的で限定的です。
こういった強い作用をもった薬なのでお母さんは使用を控えたいと考えるのが普通です。
しかし、基本的には医師の指示した量であればある程度信用して使用を進めても良いと思います。
赤ちゃんにとって痒みが強くて、体中に傷を作ってしまうくらいならステロイドを使うことで症状を和らげてあげるということも大切なのかもしれません。
いずれにしても使用には医師の判断を仰ぎ適切な量を心がけましょう。
5.4.1.ステロイドによるケア(私の実体験より)
親子でアトピーに悩んできた私がステロイドとどう向き合ってきたのは少し紹介したいと思います。是非同じような悩みを持っているママさんの力になってほしいです。
現在ステロイドは5段階あり、症状やかゆみによって段階の違うステロイド剤が処方されます。
乳児湿疹の治療で使われるステロイドは、普通段階のリンデロンV・やや弱いロコイド・弱いキンダベートが多いと思います。
そのまま使われる場合もありますが、保湿も兼ねてプロペトやヒルドイドと混ぜ合わせて処方されます。
ステロイドを使用する場合にいくつかの注意点があります。
ステロイドは、強くなるほど長期使用による副作用がみられます。
しかし、使い方次第でとても効果のあるお薬です。
1日数回、決められた使用方法で塗ってあげましょう。
また、ステロイドを使う際、副作用を心配して勝手に使用を中止してしまい、再発してしまうケースが多くあります。
見た目には完治した肌も、皮膚の内部は完治しておらず、ステロイドを止めたとたんに再発します。
焦らず治療することが、早く治す方法でもあります。
ステロイドと保湿で早期完治を目指しましょう。
5.5.皮膚科で処方されるプロペト(白色ワセリン)の上手な使い方
乳児湿疹で受診した際に、保湿剤で一番に処方されるのはプロペトになると思います。
プロペトとは白色ワセリンのことです。ワセリンにも種類があり、精製された純度によって名前や金額が変わってきます。
【ワセリンの一覧】
- サンホワイト(1番不純物が取り除かれた純度が高いワセリン)
- プロペト(病院で処方されるワセリン)
- 白色ワセリン(薬局などで手に入るワセリン)
- ヴァセリン(市販で販売されている少し黄色のワセリン)
サンホワイトはワセリンの中で最も精製されたワセリンになり、不純物が少ない分敏感な顔や荒れたお肌にも使えます。
他のワセリンではトラブルが起きた方でも使いやすいワセリンです。
病院で処方されるワセリンといえば、プロペトになるでしょう。
こちらもしっかりと精製されたワセリンになりますので、顔・体に使えステロイド薬と混ぜて使われることが多くあります。
特に肌のトラブルがなく、保湿を目的として使うならば市販の白色ワセリンやヴァセリンで十分だと思います。
だた、顔の保湿として使うならば、プロペト以上のワセリンの方が安心して使えると思います。
ワセリンは石油から作られており、それ自体には治療効果はありません。
しかし、肌を保湿することに関してはどのクリームより優れていると思います。
特に入浴後に使用する事で、肌の水分の蒸発を防ぐ効果があります。
しかし、ワセリンも使い方を間違うとかえって痒みが増すときがあります。
季節によって使用量を調節し、出来るだけ薄く伸ばして使いましょう。
手のひらで温めて使うと柔らかく伸びやすくなります。1日数回こまめに塗ってあげることで保湿効果が出来ます。
6.ステロイド剤は怖くない(私の体験談)
乳児湿疹の治療でステロイド剤を処方されることがあります。
普段使い慣れていないお母さんにとって、副作用のことが気になり、ステロイドの使用は怖い・使いたくないというお母さんがいらっしゃいます。
確かにステロイドには副作用があります。強いステロイドであれば、皮膚が薄くなったり、長期の使用で黒ずむ場合もあります。
しかし、乳児湿疹で使用されるステロイドは弱く、適所で使えば効果的だと思います。
私も子どもの乳児湿疹に出来るだけステロイドを使わず治療したかったのですが、皮膚科の先生に言われたことがあります。
赤ちゃんだって辛いですよ。自分に置き換えて考えてみて。」
確かに顔や体に湿疹が出来ていると辛いものです。
言葉には出来なくでも、痒みがあったり痛かったかもしれません。
そう考えると自分の考えだけで治療しなかったことが間違いのように思いました。
その皮膚科でキンダベートというごく弱いステロイドをワセリンと混ぜ合わせたお薬を処方してもらい、その日から使い始めました。
するとビックリするほど赤みや腫れがひき、モチモチとしたお肌に生まれ変わりました。
それからは、少し湿疹がでると1~2日薬を塗り、調子が良くなれば保湿クリームでケアするようになりました。
今ではまったくお薬を使わなくなり、保湿のみとなりました。
使い方さえ間違わなければ、ステロイドは怖いお薬ではありません。
市販のクリームで症状が改善される場合は、ステロイドを使う必要はありませんが、色々試してダメならステロイドに頼るのもいいと思います。
7.おわりに
乳児湿疹だと思っていたらアトピーだったというケースもありますが、ほとんどの場合自然に完治します。
乳児湿疹の期間、私も色んな事を調べました。半分病的でした。だから今悩んでいるお母さんの気持ちはよく分かります。
まだまだ小さくて壊れそうな赤ちゃん。
赤ちゃんのお肌って卵肌とか言われ、プニュプニュのはずだと思いこんでいました。でも実際はとってもダメージに弱いお肌なのです。
みんな体験するトラブルだとわかっていても、目の前の我が子を見ると心が痛くなります。たくさん写真を撮るはずなのに、躊躇してしまいます。
しかし、心配で仕方なかった我が子の肌も今では綺麗になりました。
毎日保湿を欠かさず、色んな見直しをしてきました。
乳児湿疹の症状も期間もそれぞれ違いますが、今のちょっとした努力で後には綺麗なお肌に出会えるはずです。悩みながらでも日々のケアを心がけましょう。