赤ちゃんがミルクをもどす原因には色々あります。心配ないケースがほとんどですが、私や先輩ママさんたちの経験を元に下記のような点についてご紹介します。
・病院を受診したほうが良いケース
・自宅で様子を見て良いケース
・ミルクをもどしたときの対処法
・ミルクをもどさないようにする対処法
・お母さんが判断できないときの相談先
についてご紹介させていただきます。
初めての育児では、ママは思ったより眠れなくつねに睡眠不足、産後の体調が回復しない。
なぜかいつも気分がゆううつである…などなど人それぞれ悩みは色々あると思います。
私の経験を紹介することで子育て奮闘中のママさんたちのお役に立てればと思いまとめてみました。
目次
1.新生児・赤ちゃんがミルクをもどすのはそもそもなぜ?
新生児・赤ちゃんがミルクをもどして驚いた経験はありませんか?初めてのお子さんだとなおのこと心配になると思います。
でも、自宅で様子を見ても良いケースがほとんどですので、安心してください。そもそも、なぜもどしやすいのか?というお話からします。
とくに、新生児から生後3か月までは「とっくり」のフタがないような状態ですので、ささいなことでミルクが逆流し、もどしてしまいます。
このようにもともと体の作りから考えても戻しやすいのが赤ちゃんなのです。まずはこういった基礎を理解しながら、色々なケースを考えてみましょう。
では、赤ちゃんがミルクをもどしたとき、病院を受診した方が良いケースと自宅で様子を見ても良いケース別にご紹介します。
2.ミルクをもどす原因~病院を受診した方が良いケース~
2.1.嘔吐物が緑色である(小腸閉鎖症)
小腸閉鎖症は赤ちゃん(新生児)の体の腸がうまれたときから一部が途切れてしまっている閉鎖症と狭窄症があります。
現在は出生前診断で見つかることが多いです。
小腸閉鎖症の治療はすぐに行わないと命にかかわりますので、すぐに病院を受診してください。詳しいことは最寄りも小児科に行って医師の判断を仰いでくださいね。
参照元:日本小児外科学科学会
2.2.ミルクを噴水状に大量に吐く(肥厚性幽門狭窄症)
赤ちゃんがミルクで胃がいっぱいになるとミルクを噴水状に大量に吐きます。
体には吸収されていないため、一度戻してしまうと、空腹状態に戻ってしまう赤ちゃんは続けてミルクを欲しがります。
こういったことが起こる原因は、胃の出口の幽門筋が厚くなることで胃の出口が狭くなってしまい、ミルクが十二指腸に届かずに胃にたまることと言われています。
治療が遅くなると出生体重を下回ることもあるため、すぐに病院を受診してください。
今は手術や静脈内への注射での治療方法がありますので、回復後ミルクを飲めるようになります。
どの方法にされるかは、担当の先生と相談してください。
参照元:日本小児外科学会
2.3.ミルクを吐き、赤いウンチが出た(細菌性の腸炎 腸重積症など)
ミルクをもどした前後に、赤いウンチが出たときは出血をともなっているのですぐに病院を受診してください。
できれば便も密封性の袋に入れて持参されることをおすすめします。
O-157やサルモネラ菌といった細菌性の腸炎や、腸管の一部が肛門に近い方の腸管に入り込んで重なる腸重責症などが考えられます。
腸重責症は生後6か月前後の赤ちゃんに起きやすいとされています。
参照元:日本小児外科学会HP
2.4.ミルクをもどし、下痢が続く(ロタウイルス、ノロウイルス)
ミルクをもどし、白い水様便が続くときはロタウイルスが考えられます。
予防接種を受けることで症状が軽く済むこともありますので、任意接種となっていますが接種されることをおすすめします。
同じく、秋から冬にかけて流行するノロウイルスも考えられます。
どちらも病院を受診される場合は、できれば便も密封性の袋に入れて持参されることをおすすめします。
便や嘔吐物を介して感染しますので、家族への二次感染には気を付けてください。
効く薬はないので、ウイルスを体から出し切るために嘔吐と下痢が落ち着くまで様子を見るしかありません。
しかし、脱水症状にならないように、ミルクを吐いてから1時間は何も与えず、それ以降に少しずつ水分補給をするようにしてください。
水分補給をする力もないくらいぐったりしているときは点滴なども有効ですので、すぐに病院を受診してください。
2.5.ミルクを吐き続ける、顔色が悪く目つきがおかしい等(頭蓋内出血、脳腫瘍)
赤ちゃんがミルクを続けて吐いたとき、明らかにぐったりしていて様子がおかしいときは、頭蓋内出血が考えられます。
これは出生後2~3日以内に起きることが多く、頭蓋骨の内部に出血が起こったものです。
めったにありませんが、様子がおかしいと思った時はすぐに病院を受診、あるいは入院先の産婦人科医に伝えてください。
参照元:gooヘルスケア
3.ミルクをもどす原因~自宅で様子を見て良いケース~
赤ちゃんが戻したミルクが透明、あるいは乳白色で少し口元から流れる程度であれば、自宅で様子を見てもかまいません。
母乳やミルク、胃液、よだれが考えられますが、心配しなくて大丈夫です。
戻すことが多くても、体重が順調に増えていれば心配しなくても良いです。
新生児~4か月の時期を過ぎてくるとだんだん体も成長していき、ミルクを戻すことも少なくなります。
同時に、だんだん生活リズムもついてきて、時間を問わずに泣くことも少しずつですが少なくなります。
自宅にスケールがある方は1日に1度体重をはかり、記録してください。
ない方は、まずはあなたが赤ちゃんを抱っこして体重計にのり、次にあなただけが体重に乗ることでおおよその赤ちゃんの体重を把握することができます。スケールをわざわざ買わなくても良いのでおすすめです。
4.ミルクをもどしたときの対処法
赤ちゃんがミルクをもどしたとき、まずは窒息しないように縦に抱っこしてあげてください。
そして、口元などをきれいに拭いてあげてください。嘔吐の状態によっては受診が必要ですが、まずは症状が落ち着くまで様子を見てから病院を受診してください。
先ほどもご紹介しましたが、嘔吐が続くといちばん怖いのが脱水症状です。嘔吐が落ち着いて、1~2時間置いてから水分補給を忘れずにしてあげてください。
5.ミルクをもどさないようにする対処法
赤ちゃんはミルクをもどしやすいということが分かったものの、できればもどさないようにしてあげたいものです。
そこで、私たちがよくやってきた対処法をご紹介します。
5.1.授乳後はすぐに横に寝かせない
授乳後にすぐに横に寝かせてしまうと、未発達の胃からミルクが逆流しやすくなります。
少し頭を高めにして抱っこしたり、授乳クッションや畳んだタオルなどを活用したりして、頭の位置が高くなるようにしてあげましょう。
5.2.授乳の合間にゲップを取り入れて
赤ちゃんに授乳後、赤ちゃんが眠ってしまい「起こすのがかわいそうだから」といった理由でゲップを省いてしまったことはありませんか?
まだミルクを飲みなれていない新生児期の赤ちゃんは飲むことに飲むことにものすごく体力を使うので、授乳後寝てしまうことが多いです。
そのため、休憩を兼ねて授乳の合間にゲップを取り入れてあげることをおすすめします。
5.3.ミルク・母乳の量を調節する
授乳から授乳までの時間は決まっていますか?
決まっている方はそのままに、決まっていない方は授乳記録などを数日間記載し、どれくらいの時間で赤ちゃんが空腹になるのか計測してください。
そして、ある程度授乳から授乳までの時間を決めてください。
また、母乳の場合は1回に飲む量がきっちり分かりません。そのため、授乳時間を最初は少なめにし、足りないようであればだんだん長くし、大体の授乳時間を決めてください。
5.4.授乳後は右側を下にして寝かせてあげて
授乳後に上向きに寝かせると、たくさんミルクを吐き戻したときに窒息してしまう可能性があります。
胃と腸がつながっているところが体の右側になりますので、ミルクをもどしてしまうことをできるだけ減らすことができます。
そのため、授乳後は右側を下にして寝かせてあげてください。
赤ちゃんによって寝る向きが決まっていることもあります。
その場合は、クルクルまいたガーゼタオルなどを体の左側に置き、できるだけ右側を下にして寝られるようにしてあげてください。
6.自分で判断できないときの相談先は?
赤ちゃんがミルクをもどしてしまったとき、病院を受診した方が良いのか、それとも自宅で様子を見て良いのか判断できないときもあります。そんなときの相談先をご紹介します。
6.1.小児救急電話相談 こどもの救急
小児科医・看護師が対応していて、お子さんのケガや体調不良が原因で病院を受診するべきか悩むことってありますよね。
夜間を中心に実施しています。全国統一の短縮番号である「#8000」へプッシュすると、あなたのお住いの都道府県に自動転送されます。
また、公式ホームページには、さまざまな症状別に対処法が紹介されていますので、あわせて参考になさってください。
7.まとめ
赤ちゃんがミルクをもどす原因についてご紹介しましたがいかがでしたか?
初めての育児を経験されているお母さんはとくに心配事が多いと思います。
赤ちゃんが元気に成長していくことも大切ですが、お母さんであるあなたが元気に毎日を過ごすことも大切です。
今は核家族がほとんどで、育児を一人でこなすかたが大半かと思いますので、ストレスと疲れをためすぎないように、上手に周りを頼ってください。
近くに祖父母がおられない方も、市町村の制度などを調べてみてくださいね。