男性看護師としてケアの世界で働きたいなら知っておくべきこと

看護職は女性が圧倒的に多い業種ですが、男性看護師の姿を病院や施設でよく見かけるようになってきました。

力仕事や防犯において頼りにされたり、職場のムードメーカーとしての役割を担ったりして、
男性ならではの特性を発揮することを期待される反面、男性ならではのストレスを抱える男性看護師も多いです。

今回は、男性看護師の必要性や将来性に加え、年収や恋愛・結婚事情など、男性看護師の現状をお伝えしていきます。

1.男性看護師の需要や将来像

1-1.男性看護師の現状と将来像

日本看護協会の調査によると、2004年に約5万5000人だった男性看護師は、2014年には約9万8000人と1.7倍に増加しています。

看護師全体から見た男性の割合も、2006年には4.5%だったのが2014年には6%と増加傾向にあり、今後どんどん増えていくと見られています。

男性看護師が増加するイメージ

男性看護師が増えている背景には、資格そのものの人気に加え、女性看護師よりも男性看護師の方が適する看護業務が多々あることから、
男性看護師を積極的に採用する職場が増えていることにあります。

まだまだ少数派とはいえ、男性看護師はあらゆる面で重宝される存在となっています。

女性看護師と同程度の条件や待遇の病院やクリニックの求人も増えており、
今後男性看護師ならではの能力が期待できる精神科や介護ステーションの現場などでは女性の看護師より待遇が上回るということも出てくるでしょう。

また、総看護師長などの役職は女性の看護師がほとんどを占めていますが、
男性看護師の割合が高くなれば男性看護師で役職を務めることも非常に多くなってくるなど男性看護師の将来性は非常に期待されています。

1-2.男性の看護師だからこそ必要とされること

ものを運んだり、患者を車椅子に移動させたり、介護施設の場合は、
寝たきりの方の体位交換や入浴介助など看護師は力が必要とされる仕事であり、男性はとても重宝されます。

男性患者にとっては同姓だからこそ頼みやすいことや気を使わずにいられることもあり、
男性が多い医師やコメディカルは女性看護師に話しかけにくいと思っている人も多く、同性である男性看護師には比較的話しかけやすいという意見もあります。

患者さんとの相性が悪いと、女性の場合は他の患者さんと同様に接することが出来なくなることがあります。

男性は女性ほど感情の起伏が激しくないので、たとえ相性が悪い患者でも他の患者と同様に適切な対処ができるということもあります。

向き不向きのイメージ

2.男性看護師が活躍している診療科目

男性看護師が多く活躍している診療科、現場として、以下があげられます。

泌尿器科

泌尿器科には女性の患者も多いですが、男性患者がよく訪れます。

男性患者に応対する際に女性看護師が相手だと羞恥心や戸惑いが強くリラックスして診察や治療を受けられないという方が
多いため男性看護師が強く求められるようになりました。

また、女性専門、男性専門と対象を分けたクリニックからの求人が多いので、
そういった職場の場合は、男性看護師の密度が高くなり働きやすい環境であることが多いです。

整形外科

整形外科に入院する患者は自力で身動きできない場合が多く、
看護師には体力だけでなく腕力も求められるため、男性看護師が歓迎されます。

皮膚科

デリケートな部位を晒さずに診察できますので、男女の性差が少ない職場です。

オペ室

男性の方が女性よりも体力があり、長時間に及ぶ手術などに対応しやすいため男性看護師が歓迎されます。
また取り扱う精密機器などの操作に優れている人員の割合が比較的男性に多いとも言われています。

オペ室

採血室

採血室、献血ルーム、検診センターなどで採血専門に働く看護師になります。
配属される男女の性差も特にないため、男性が働きやすい傾向があります。

注射器

透析科

透析室で求められるのは機材の操作技術やパソコンの能力、データ分析の知識です。
こうした適性は通常の看護師の業務から距離があり、性別に関係なくパソコンに詳しい看護師が重用されます。
また、臨床工学技士などの男性職員もいるため、比較的男性看護師が働きやすい環境になります。

救命救急

救命救急では自分では動くことができない患者の移動や薬物中毒などで暴れる患者を抑える体力が必要になります。
また夜勤も多いため体力のある男性が歓迎されます。

消防車

ICU(集中治療室)

オペ室、救命救急と同様の理由で、ICUも比較的男性看護師の活躍が求められています。
体力に不安を抱える女性看護師が多い現場の場合、男性看護師が加わることで安心感を与え、雰囲気が和らぐ効果もあるようです。

精神科

精神科の患者の中には状態が不安定になると、暴れたり暴力・暴言をはいたりすることが多々あります。
男性患者がこのような状態になった時、女性看護師だけでは制止する事ができません。
看護業務とはいえ力仕事が大部分を占めるため、男性の割合が非常に高い科目になります。

3.男性看護師の年収は?

平成26年度の看護師平均年収は473万円、月収で33万円となっています。

男性看護師の平均年収は474万円、女性看護師が473万円となっており、男女差がないのがほとんどありません。

給与袋

男性看護師の平均年齢は36.3歳であり、これを同年代の一般的なサラリーマンと比較すると、
サラリーマンの平均年収は499万円でサラリーマンの方が平均年収が高いことになります。

女性としてはかなり高収入になりますが、家族の生活を支える男性の職業としては不安を覚える方も多いかもしれません。

しかし、看護師は、過去10年以上にわたってほとんど平均年収が変化しておらず、社会情勢の影響をほとんど受けることがないとゆう強みがあります。

看護師という職業は、真に安定した収入を保つことができるのです。

4.男性看護師の悩み

4-1.業務内容におけるジレンマ

「看護師=女性」であり、男性看護師に偏見を持っている患者は少なくはありません。

「女性看護師の方が話しやすい」、「女性看護師の方が安心出来る」と思う患者も多く、
男性看護師に面倒を看られるのは抵抗があるという方もいます。

それゆえ、就業したての頃は特に、雑用を強いられることが多々あります。

「患者のためにケアをしたい」と思っていても、患者側から拒否されることも珍しいことではなく、
このジレンマがストレスの原因となっている方も多いのではないでしょうか。

この場合の打開策としては、「割り切ること」が重要です。

女性患者から物理的に嫌煙されるのは周知の事実であり、実際、
女性看護師には難しい看護行為においては男性看護師に期待が集まっています。

特に移動介助や急患の運搬、不穏患者の対応(病室への移動)など、
肉体的に負担の大きい業務においては女性看護師よりも男性看護師の方が向いています。

嫌煙されることや出来ないことに対して悩むのではなく、
性だからこその業務を率先して実施していく、この心構えを持つことが大切になります。

4-2.女性看護師とのコミュニケーション

看護職に関わる職場は女性社会と言っても過言ではありません。

それゆえ、女性看護師とのコミュニケーションや、男女間での価値観の違いなどで悩んでいる男性看護師は少なくありません。

看護師とのコミュニケーション

また女性が多い現場だと派閥があることも多いです。

愚痴や悪口は当たり前のようにありますし、人間関係のゴタゴタに巻き込まれてしまうということもあります。

職場に女性ばかりだと相談相手がなかなかできず、1人で悩みを抱えている男性看護師は多いのではないでしょうか。

この打開策としては“慣れ”も大切ですが、女性を理解することが重要です。

考え方や価値観などは、男女間で大きく異なりますので、男性思考を抑制し、
女性思考を理解することから始めることで次第に女性看護師の考え方や価値観だけでなく、
行動の意味などさまざまなことに納得できるようになり、自然と女性社会の中でも馴染めるようになります。

4-3.男性医師との人間関係

医師の中にはプライドが高く、男性看護師を見下している人が少なくありません。

年齢的に年上であればまだ納得ができるかもしれませんが、
自分よりも若い医師に見下されたような態度をとられると、次第にストレスが溜まってしまいます。

医師と看護師との格差は今でも存在しており、男女関係なくきつく当たる医師も少なくはないため、
これに関しては信頼関係を構築するしかありません。

医者とのコミュニケーション

4-4.力仕事が全てまわってくる

男性であるがゆえに力仕事があれば男性看護師が当たり前のように任され、
夜勤も同じように男なのだから体力があると任せられることが多々あります。

このような状況でも文句が言えず悩んでいる男性看護師はとても多いです。

5.男性看護師が女性と上手に仕事を進めるためのコツ

5-1.誰よりも優れた得意技を持つ

看護技術以外のことでもいいので何か得意分野を持っておきましょう。

最近では、病院もOA化が進んでおり、WordやExcel、Powerpointを使用する機会も増えてきています。

使い慣れていなければ、ちょっとした文書や表、資料を作成するにも、苦労することが多いですが、
そこにさり気なくアドバイスできれば、職場での好感度が上がる可能性が高くなります。

パソコン操作が得意

5-2.表に出すぎない

女性が多い職場なので、女性特有の縄張り意識や複雑な人間関係を見て、いろいろと言いたいことも出てくるかもしれません。

ただ、看護師は性格的に気が強い人が多く、お互いに引かないということもありえます。

なので、仕事上の意見でもない限り、譲れるところは譲ることで、人間関係をうまく保つことも大切です。

5-3.話の腰を折らず、否定しない

女性は自分の話を聞いてほしいという願望がとても強いので、聞き役に回り最後まできちんと話を聞いて、受け止めることが大切です。

真っ向から意見を否定したり、話の途中で口をはさむようなことは避け、自分の意見を言う場合は、
最後まで話を聞いてから一度相手の意見を受け入れた上で話しましょう。

女性は“答え”より“共感”を求めています。

5-4.下ネタと恋愛系の話題はしない

男性同士では気軽に下ネタで笑いをとるなんてことがあるかもしれませんが、相手が女性の場合は細心の注意が必要です。

また、高い地位にいる女性には、結婚や恋愛よりも仕事を頑張ってきたという人が少なからず存在します。

結婚や恋人の話題など、不用意な発言で相手を不愉快にさせる可能性もゼロではありません。

下ネタと恋愛の話題は自分からは振らないほうが無難でしょう。

5-5.さりげない“姫扱い”

年齢問わず、女性は永遠に「女の子」扱いされたいと思っています。

高いところにあるものをとってあげたり、力仕事を率先して引き受けたりと、
さりげなく手を差し伸べるだけで女性は喜んでくれます。

6. 男性看護師の恋愛は?

6-1.男性看護師はモテる?

看護職は景気に左右されず、働く側がより好条件、好待遇の職場を選べ、
かつ転職の際もマイナスがないので結婚を考えたときに好印象となる職業です。

また他の職業に比べ出会いのチャンスが多く、恋愛をする環境に恵まれているといえます。

しかし、同じ職場で働く男性看護師のことを男としてみていないという女性看護師も少なくないようなので最終的には本人次第のようです。

いいの?ダメなの?

6-2.患者や同僚との恋愛は?

互いに同じ病棟で働いていて出会い、結婚する看護師もいます。

病院の新年会や忘年会の機会を利用してアプローチしたり、
同じ病棟の人や同期会の人に頼んで接点を作るのが効果的なようです。

男性看護師は職場では目立つ存在であり職場恋愛はすぐに周りに広まってしまいます。

交際は結婚するまでは隠しておくことが恋愛を長続きさせるコツのようです。

また入院してきた患者の看護をしているうちに、お互いに恋愛感情を持つようになることもあるようです。

ただし、患者と看護師の間には、一定の恋愛のルールがあると心得ておきましょう。

仕事中にベタベタしたり、恋愛感情を持ち込むことは好ましくありません。

好きになった患者の退院日に連絡交換をして患者と看護師という関係から解き放たれてからお付き合いを始めるのがいいでしょう。

患者さんとの恋愛について

さいごに
男性看護師の数は増え、多くの病院でニーズが生まれているとはいえ、看護師の世界はまだまだ「女性中心」です。

ただ、見方を変えれば男性看護師は非常に重宝されやすい存在ですし、
今後はより多くの分野で男性看護師の需要も高まることが予想されているため、
非常に将来性のある職種だと考えて間違いないでしょう

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