子供1人当たりにかかる教育費が総額いくらかかるかご存知ですか?よく“子供1人につき1,000万円”という言葉を耳にする機会も多いかと思います。
しかし、実際は子供の進学先によって、総額にも開きがあるようです。
目次
1.子供が自立するまでにかかる1人当たりの教育費平均は?
早速、子供1人当たりにかかる教育費の総額についてご紹介したいと思います。一般的に小学校・中学校・高等学校・大学へ進学した場合にかかる19年間の教育費を考えたとします。その総額は、私立であるか公立(市立)であるかによっても総額がかなり変わってくるようです。
参考データ:文部科学省(2017年8月時点)「平成26年度子供の学習費調査の公表について(報道発表資料)」
2.幼稚園~高校まで種別ごとの公立・私立の教育費比較
公立と私立でどれ程の差があるか、幼稚園・小学校・中学校・高校、それぞれに分けて実際の調査をもとにまとめてみたいと思います。
(1)幼稚園にかかる費用について
公立幼稚園に通った場合にかかる費用総額は、【¥119,175/年】に対し、私立幼稚園に通った場合は【¥319,619/年】となっています。
平成26年の調査よるとその差額は、おおよそ¥200,000にも上ります。私立幼稚園に通う場合、比率にすると約2.7倍も公立幼稚園に比べて費用負担が大きいことが分かります。
(2)小学校にかかる費用について
公立小学校に通った場合にかかる費用総額は、【¥59,228/年】に対し、私立小学校に通った場合は【¥885,639/年】となっています。その差額は、おおよそ¥826,441に上り、私立小学校に通う場合、比率にすると約15倍に上ります。
幼稚園に比べ小学校に入ると、公立と私立では費用負担の差がかなり大きくなることが分かりますね。
(3)中学校にかかる費用について
公立中学校に通った場合にかかる費用総額は、【¥128,964/年】に対し、私立中学校に通った場合は【¥1,022,397/年】となっています。その差額は、おおよそ¥893,433、私立中学校に通う場合、比率にすると約8倍になります。
小学校と比べると比率が少ないように感じますが、中学校に上がると高校受験に備え、学習塾に通うなど学校以外での費用が増えてくるのも特徴の一つですね。
(4)高校にかかる費用について
公立高校に通った場合にかかる費用総額は、【¥242,692/年】に対し、私立中学校に通った場合は【¥740,144/年】となっています。その差額は、おおよそ¥497,452、私立高校に通う場合、比率にすると約3倍になります。小学校・中学校に比べると比率は控えめな印象です。
参考データ:文部科学省(2017年8月時点)
「平成26年度子供の学習費調査の公表について(報道発表資料)」
3. 教育費シミュレーションしてみよう!
前項で高校までにかかる費用と、公立と私立の費用比率についてご紹介しました。前項を踏まえさらに細分化し、様々なケースでシミュレーションしてみたいと思います。是非電卓を用意して一緒に学んでみましょう!
(1)高校までが全て国公立、大学は国公立または私立(文系/理系)
①幼稚園~大学:全て国公立
幼稚園¥666,792+小学校¥1,930,248+中学校¥1,445,523+高校¥1,229,937+大学¥4,575,000=【合計:¥9,847,500】
②幼稚園~高校:国公立、大学が私立/文系
幼稚園¥666,792+小学校¥1,930,248+中学校¥1,445,523+高校¥1,229,937+大学¥6,755,000=【合計:¥12,027,500】
③幼稚園~高校:国公立、大学が私立/理系
幼稚園¥666,792+小学校¥1,930,248+中学校¥1,445,523+高校¥1,229,937+大学¥8,180,000=【合計:¥13,452,500】
(2)幼稚園のみ私立、大学は国公立または私立(文系/理系)
①幼稚園が私立、小学校~大学:国公立
幼稚園¥1,494,024+小学校¥1,930,248+中学校¥1,445,523+高校¥1,229,937+大学¥4,575,000=【合計:¥10,674,732】
②幼稚園が私立、小学校~大学が私立/文系
幼稚園¥1,494,024+小学校¥1,930,248+中学校¥1,445,523+高校¥1,229,937+大学¥6,755,000=【合計:¥12,854,732】
③幼稚園が私立、小学校~大学が私立/理系
幼稚園¥1,494,024+小学校¥1,930,248+中学校¥1,445,523+高校¥1,229,937+大学¥8,180,000=【合計:¥14,279,732】
(3)高校のみ私立、大学は国公立または私立(文系/理系)
①高校のみ私立、幼稚園~中学校国公立、大学国公立
幼稚園¥666,792+小学校¥1,930,248+中学校¥1,445,523+高校¥2,985,885+大学¥4,575,000=【合計:¥11,603,448】
②高校のみ私立、幼稚園~中学校国公立、大学が私立/文系
幼稚園¥666,792+小学校¥1,930,248+中学校¥1,445,523+高校¥2,985,885+大学¥6,755,000=【合計:¥13,783,448】
③高校のみ私立、幼稚園~中学校国公立、大学が私立/理系
幼稚園¥666,792+小学校¥1,930,248+中学校¥1,445,523+高校¥2,985,885+大学¥8,180,000=【合計:¥15,208,448】
4.教育費の負担を減らすために親がすべきこととは?
3項で様々なケースでかかる費用を算出しましたが、ご覧いただくと分かる通り、莫大な費用がかかることがお分かりいただけたかと思います。
特にどの段階でも私立に通った場合には、公立に比べ何倍もの費用がかかることになります。そのためには、やはり貯金の必要性が高いと言えますね。
しかし、いつから貯金を始めたらいいのかと悩む方も多いのではないでしょうか。貯金を始めるのに最適な時期は、“子供が生まれた時から”がオススメです。貯金は、きっかけになる出来事がないと、日にちだけがどんどん過ぎ去っていくものです。
だからこそ、意識が高い時に始めることがベストなのです。その理由は、親になって「一生この子を守っていく!」と決意と責任感を強く抱く時期だからです。意識が高い時こそ、貯金の始め時なのです。既に子育て中の方は、是非すぐにでも貯蓄計画を立てましょう!
5.教育費の貯金方法とは?
早速貯金を始めようと思っても、どういった方法でどれくらいずつ貯金すれば良いのか分からない人も多いはずです。その目安をこの項ではお伝えしたいと思います。
(1)貯金の方法
一番メジャーな貯金方法は、下記の2つです。詳しくみていきましょう。
①保険を利用する(学資保険等)
最も知られているのは、まさに教育費のために作られた学資保険です。その中でも生命保険を使った教育資金積み立てが人気のようです。
支払い期間を設定する際は、一番教育費のかかる高校や大学進学までに支払い満期を迎えられるよう、設定しておくと安心です。
②銀行口座へ貯金していく
保険に入らず、やはり自分のお金は自分で貯金することが一番!と考える人は子供用に口座を開設し貯金しているという人も少なくありません。
貯金額が高額になるため、引き出す場合のことを考えると親権者にしておくことがベストではないでしょうか。
貯蓄の種類は“積み立て貯金”を設定することをオススメします。普通口座から毎月一定額が天引きされ、貯金されていくものです。
一定額さえ決めてしまえば、勝手に毎月貯まっていきますので、手続きなどの手間もなく便利です。そして、積み立て貯金を考えて銀行を選ぶ場合には“金利の高い”銀行を選ぶことをオススメします。
(2)毎月の貯金額はいくら?
毎月の貯金額はどれくらい貯金すれば良いかという疑問を持つ方も多いですね。貯金は、無理なく納められる“負担のない額”が目安です。結局、足りないからといって切り崩すようでは意味がありませんから、1カ月の世帯収入の中から貯金に回せる額がいくらなのかをまずは見極めましょう。
6.学校以外で発生する教育費とは?
これまでの教育費では学校にかかる部分だけを見てきましたね。しかし、実際は学校以外での教育費が発生しているケースがほとんどです。
例えば、習い事や学習塾など学校以外で「将来のために」と親がしてあげるケースが多いかと思います。
その費用負担が意外にも多いことを認識しておきましょう。
子供の可能性を活かしてあげられる環境にしておくこともとても大切なのです。「備えあれば憂いなし」ということわざがあるとおり、事前に余力のある環境が作ってあげられると良いですね。
2016年の調査では下記のような習い事が人気のようです。そして1人当たり平均¥10,000~¥20,000の範囲で習わせる家庭が多く、1つの習い事ではなく、この予算で2つ以上を掛け持ちさせているケースも増えてきています。
<子供の人気習い事>
・英語、英会話
・ピアノ
・体操
・学習塾・幼児教室
・サッカー 等
参照元:ケイコとマナブ.net https://www.keikotomanabu.net/kids/ranking/
7.子供を授かる前に夫婦で考えるべきこととは?
子供は授かりものであることが大前提ですから、頭で考えてどうにかなる問題でもありません。
しかし、結婚してこれから子供を授かりたいと考えているご夫婦は現実的な一面にも目を背けずに向き合うことが大切です。
2人以上子供を授かりたいと願っているのならば、これまでにご紹介した見込み額をよく理解しておくことをオススメします。
よく「子供は3歳差で!」「2歳差で!」という主婦の声を耳にしますが、これは現実的な費用面から見て計画的にと考える人が多いからです。
子供を授かることはとても素敵なことですが、綺麗事ではどうにもならないこともあるのが現実です。お金が全てではありませんが、将来子供がのびのびと成長していけるような環境を整えてあげることも、とても親の責任です。
8.まとめ
いかがでしたか?実際の金額のデータも多くご紹介しましたので、より現実味があったのではないでしょうか。将来のための貯えがあるに越したことはないのです。
これまで教育費に目を向ける機会が少なかった方は、是非この機会に夫婦で意識合わせをしておくことをオススメします。金銭的な問題は、夫婦での意思疎通がとても大切です。
後々、「一体これからどうするの!?」「子供がしたいことをしてあげる金銭的余裕がない」ためにも、ライフプランを一度見直してみてはいかがでしょうか。