看護師長を目指すなら知っておきたい役割や仕事、年収や求人探しのコツ

看護師を目指す皆さん、看護師になったあとのキャリアアップについて考えたことはありますか?

一般企業同様に、医療業界でも上司となる管理職があります。
看護師の中で言えば、医療機関によってもその呼び名は変わるものの、看護主任、看護師長、看護部長などのキャリアアップがあります。

今回は“看護師長”についてご紹介したいと思います。今後のキャリアアップの参考にしてみてくださいね。

スポンサーリンク

1.看護師長の役割ってなんだろう


看護師長になるには、一体どういった能力が必要なのでしょうか。

医療行為のスキルが高い人、経験年数の高い人を求められるだけではなく、実はそれ以外にも必要な素質があるのです。

その素質は何だろうと考えてみると、そこには看護師長の役割と関連していることが多いのです。看護師長の役割を大きく分けると下記の3つが見えてきました。早速みていきましょう。

1.1.業務目標を達成する 


1つに業務目標を達成させるという役割があります。しかし、看護の目標達成ってどんなことなの?疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

一般企業でモノを何個売り、売り上げがどうだったか等の目標を達成するということとは少し違います。看護における目標というのは、一般的には病棟内での“看護の質”に目を配り、看護師長として何をすべきか等を考え、それを目標設定とする場合が多いようです。

一般の看護師であればその対象者は患者になりますが、看護師長の場合の対象者は病棟全体の看護になります。

そのため、患者はもちろんのこと、患者に関わる看護師も対象となります。

その他、“看護”そのものの基準やシステムの評価や問題点があれば改善等も看護師長に課せられた重要な役割といえるのです

1.2.目標達成のためのチームワーク強化


前項で掲げた目標を達成するためには、看護師長がどれだけ優秀であっても一人で成し得ることができません。何より看護師同士はもとより、医者との連携、病棟間の連携など全てがチームプレイなのです。

そのため、職場環境がうまくいっていない等があれば、それは医療行為自体の質や大事な連携が出来ない等の支障をきたす可能性があるのです。

現場からの声にも常に耳を傾け、時には病院経営に関する経営側の会議に参加しながら情報を共有するなどいわば、現場と経営側の橋渡し役とも言える役割を担っています。

チームワークを強化する先導者である看護師長には、こういった面でチームをまとめるマネジメント力も必要になるということがお分かりいただけるかと思います。

1.3.看護師を育てる


そして、何より重要な役割としては、自分の病棟で働く看護師の育成です。スキル向上はもちろんのこと、より患者に寄り添った看護ができる看護師を育て、医療の質向上を目指します。

医療の現場では失敗は許されません。そのために普段から、現場全体を監督し、冷静な判断と指導力が求められるため、豊富な経験を要することは言うまでもありませんね。

そのために、普段から連絡・報告・相談を徹底するほか、部下の看護師が判断に迷う事例があったときには看護師長が相談窓口となることも多いようです。

2.看護師長の年収とかって

看護師長の年収は、どれくらいかご存知でしょうか?平成28年民間給与の実態調査で職種別平均給与が明らかにされています。

看護師長の平均月収は【434,850円/月】、看護師長よりさらに上の管理職である総看護師長では 【534,678円/月】です。

年収ベースで考えると月額に賞与が上乗せした形になりますから、賞与を入れずに考えても年収は500万円以上という見方ができますね。

また。看護師長、総看護師長の平均年齢は、看護師長が【48.1歳】、総看護師長が【55.9歳】となっており、現場での看護経験をかなり積んだあと45歳以降に選抜されるケースが多い傾向にあるようです。

参照元:「民間給与の実態」( 給与局給与第一課調査第一班 2017年9月時点)

3.役割を形にするためにどんな仕事をしているのか


前項でご紹介した看護師長の役割を果たすために具体的にはどんな仕事を日々行っているのか知りたいところですよね。そこで、今回は大きく4つに分けて具体的にご紹介したいと思います。

3.1.看護師のマネジメント


病棟全体を見るという役割の中でもまずは身近なところからしっかり管理することが大前提となるのは、どこの企業でも同じことが言えるかと思います。

そのため、第一に看護師のマネジメントは重要とされています。

新人看護師を立派な看護師に育てることこそ、次世代の医療を発展させ、より良い医療現場を作ることにも繋がるわけですから、看護師のマネジメントは欠かせない役割です。

医療の現場というのは、生死に関わる場所でもあり、失敗が許されないというプレッシャーや患者の生死に遭遇する等大変シビアなもの。

看護に憧れを抱いて、入職する新人看護師も多いようですが、理想と現実の大きなギャップに悩み、離職する人も決して少などいとは言い切れません。

そういった早期離職者を減らすためにも新人看護師が悩んでいることや、直属の先輩に質問できずにいることはないか等の配慮をし、時には定期的な面談を設けるなどして、コミュニケーションの代行役としても活躍します。

3.2.病棟全体の看護レベルの向上

普段行っている業務(ルーティン作業やミーティング等の業務も含む)の見直し、より効率的に質の良い看護が実現できるかを考え、時に見直し案を提案し看護師との会議を開催することや、病院側の意向を看護師に研修、伝達する場を設けるなど率先して行動します。

大幅な業務フローの見直しがある場合には、病院経営者側への提案の場を設けてもらう等定期的な見直しを看護師長は行っています。

3.3.医療事故の予防

病院では医療に関わる様々な薬や機材を扱っています。一番あってはならない医療事故を未然に防ぐために、医療機器・薬品の取り扱い等の指導も徹底して行います。

また医療器具の保管方法や衛生管理についても、定期的な指導と管理を行います。一般企業でもミスを防ぐために、“ダブルチェック”を行ったりしますね。

医療現場でも、医師の処方に基づき用意した薬を並べてすぐ患者に渡すのではなく、看護師同士2人以上でダブルチェックをしてから配るなどのフローで行っています。

こういったフローも長年の経験と看護師長の判断で実施するよう指示を行っています。

3.4.看護部長や医師との調整

冒頭でも少し触れましたが、病棟間での橋渡し役となる看護師長は、現場(看護師)と医師との調整を行うなどの調整業務も多くあるようです。

その調整をいかにスムーズに進めるかによって業務が効率的に進むかどうかも決まってきます。

そのため、調整能力が求められるのも看護師長の特徴です。一般企業で言えば、秘書的役割に似たところがあるかもしれませんね。

4.看護師長になるにはどうしたらいいの?

看護師長に憧れる人も多いかと思いますが、キャリアアップとして看護師長になるにはどうしたら良いか漠然としている方へその方法をご紹介します。

まずは、豊富な経験と経験年数も重要視されます。

看護師長の平均年齢が40代ということが分かるとおり、その年齢に至るまでの現場看護師経験が10年以上は最低でも必要なことが分かるかと思います。

その他、長年勤めてきている病院で出世するのか、または転職して看護師長になるのかで若干方法も変わってきます。その点を是非押さえておきましょう。

4.1.今の病院で出世する


同じ病院で出世するケースとしては、いきなりの抜擢というよりも少しずつマネジメント経験をする必要があるため、看護主任等の先に看護師長というステップを踏む人が多いようですね。
 

4.2.転職した先で看護師長になる


長年勤めている職場でのステップアップを考える人も多いですが、やはり病院の状況次第ではなかなか叶わないことも多いでしょう。

そんな時は、転職でのステップアップに踏み切る人もいるようです。その場合には、求人情報で看護師長ポジションを募集しているところに応募するほか、引き抜きということも医療業界ではあるようです。

5.先輩看護師長のアドバイス

最後に看護師長として活躍する人の声をまとめてみました。これからキャリアップしたいと考えている皆さん、是非参考にしてみてくださいね。

5.1.失敗しない看護師長の求人を見つめる7つのポイント

看護師長に関わらず、病院を選ぶ際には下記をポイントにすることをオススメします。
長く勤務するには、激務続きでは継続が難しいですよね。病院の体質を知った上で応募することもとても重要です。

  • 勤務時間帯
  • しっかり休みが取れる環境かどうか
  • 有給休暇取得率
  • 離職率が低いかどうか
  • 産休育休が取得可能か(積極的環境かどうか)
  • スキルアップするためのバックアップ体制があるかどうか
  • 残業の有無(ある場合はどの程度か)

5.2.看護師長を目指すキャリアプランの例

自分が思い描くキャリアプランをまずは考えてみましょう。

女性の場合は特に、プライベートで結婚・出産を経験する場合には家庭との両立も課題となるかと思います。そのことを踏まえ、キャリアプランを立てることをオススメします。

キャリアプランとして多いのは、結婚前までに現場での経験をしっかり積み、外部の研修や学会への参加や研究など自分の功績となるようなことをとにかく経験すること。

結婚し家庭を持った場合、相手の理解が得られるかどうかでも変わってくるとは思いますが、少なからず制限が出てくるはず。

そのため、出来ることは早い段階で経験をすることです。そうしておくことで、結婚後、出産後にキャリアップしたいと望んだ時の糧になることは間違いありません。

就職したら先を見据えた働き方、学び方を早い段階で意識することが先々のキャリアアップに繋がるということを覚えておきましょう。

5.3.看護師長に向いている人の特徴5選


看護師長に向いている人の特徴をご紹介します。

現場で働く看護師全体を取り纏める役を担う看護師長には下記のような素質があると良いとされ、また求められるケースが多いようです。
是非参考にしてみてくださいね。

  • 冷静な判断ができる
  • 全体を見渡せる広い視野を持って行動できる
  • 現場の声に耳を傾けることが出来る
  • 調整力がある(秘書的素質)
  • 指導力がある