看護師として英語を使う現場で働いてみたい!【習得方法から就職まで】

国際化が進む昨今、日本の病院でも外国人患者が増え、英語によるコミュニケーション力が求められています。

これから世界で看護の仕事についてみたい、もしくはボランティアをやってみたいと考えているナースさんたちのために、
英語の勉強方法や英語力を身に付けてどのような仕事をしていくことができるかを紹介します。

看護の仕事をしながら英語の学習をするということは非常に大変なことですが、その先に広がる世界はきっと自分の宝になるはずです。是非挑戦してみてほしいと思います。

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1.学習方法

英語を学ぶには主に通学型英会話スクールオンライン英会話スクール独学の3つが挙げられます。

それぞれのメリット、デメリットやオススメのスクールを紹介します。自分の性格や状況とマッチしている方法がどれか考えてみましょう。

1-1.英会話スクール(通学)

1-1-1.メリット

会話をしているところ
・学習リズムを作りやすく、継続しやすい
英会話教室に通学する場合、基本的にレッスンの曜日が固定になるため、レッスン日を基準として1週間の学習リズムを作ることになります。

毎週決まった曜日に通学しなければいけないという強制力が習慣づけに繋がり、結果として英語学習が長続きしやすいです。

・英語学習仲間や友人ができる
英会話教室に通うことで、同じように英語を学んでいる仲間ができます。

また普段では知り合えない他業種の人や、世代の人と出会うことができます。

仲間がいれば互いに刺激しあうことでモチベーションが維持しやすく、英語学習が長続きしやすいです。

外人が集まっている英語

・体系的なカリキュラムに基づいて英語を学べる
英会話教室では、体系的なプログラムやカリキュラムを有しているので、英語力を効率的かつ段階的に高めていくことができます。

英会話教室の用意したプログラムに従って学習を進めていくだけで、網羅的に英語力を上げることができます。

・カウンセラーに学習相談ができる
英会話教室には、講師以外に学習相談ができるカウンセラーがいます。

効率的な英語学習の方法や学習計画の立て方、時間の使い方、おすすめのテキストなどについてアドバイスをもらうことができます。

なかなか成果が出ない、自分の学習計画はこのままでいいのかなど、
悩みを抱えたときにカウンセラーに相談することで納得しながら英語学習を進めることができ、効率的に英語力を身につけることができます。

看護師が英会話をしているシーン

1-1-2.デメリット

・学習量が不足しがち
英会話教室へ通学するだけでは週に1,2回のレッスンのみなので英語力を上げるには決して十分な学習量とは言えません。

レッスン以外の時間についても自分自身でしっかりと時間を管理して英語の学習時間を確保し、リスニングやスピーキングの練習に取り組む必要があります。

・通学に時間がかかる
英会話教室へ通学する場合、どうしても通学時間がかかってしまいます。

英会話教室を選ぶ際は、できるかぎり職場や自宅から通いやすい場所を選び、通学時間はアプリや書籍で勉強し、時間を有効活用することが重要です。

電車の移動中に英会話のシーン練習をしている

・受講料が高い
英会話教室の授業料は、大人数のグループレッスンで1コマ(40~50分)2,000~3,000円、
3~4名程度の少人数のグループレッスンで1コマ3,000円~4,000円、マンツーマンレッスンとなれば1コマ5,000円~8,000円
といった価格帯が相場となります。

また授業料に加えてテキスト代や交通費がかかります。

一方、オンライン英会話の場合、基本的にレッスンはマンツーマンで、月額5,000円~6,000円が相場となり毎日レッスンを受けることができます。

テキスト代はかからないところが多く、交通費も必要ありません。

価格を優先するのであれば、英会話教室は決して優れた選択肢だとは言えません。

英語勉強の費用について

1-1-3.オススメのスクール

・ベルリッツ

ビジネスの現場で実践的な英語力を身につけるという教育理念を持つ学校です。

講師はビジネス経験者を揃えており、ビジネスの本番で高いパフォーマンスを発揮するためのトレーニングを行います。

ビジネス目的に応じてレッスン内容もカスタマイズできるため、業界事情に沿った対話トレーニングなども学習プランに組み込むことができます。

多忙なビジネスパーソンが継続的に学習できるサポートもあり、複数の教室が利用でき、レッスン時間も選べ、急な予定が入っても調整が可能となっています。

・COCO塾

COCO塾は医療系教育で有名なニチイ学館が運営しています。

医療英語のコースは初級と中級向けに対応しており、ドクター向けというよりは看護師や医療関連スタッフ向けの内容になっています。

ビジネスシーンを想定したロールプレイやディスカッションを多く取り入れており、現場で活かせるビジネス英語力を身につける事ができます。

・Gaba マンツーマン英会話

名前からもわかるようにマンツーマン専門の英会話スクールです。

授業の日時は毎回選べる自由予約制で開校時間は早朝7時から夜9時55分までとなっており、ビジネスパーソンにも通いやすいです、
マンツーマンなので、一人ひとりの目標や目的に合わせてレッスン内容をカスタマイズできます。

また資料の持ち込みや録音も可能なので、自宅での復習にもとても便利です。

講師は、インストラクター認定プログラムを修了したプロフェッショナルで、経歴・出身国も多彩なため、目的に合わせて講師を選ぶことができます。

1-2. 英会話スクール(オンライン)

ここ最近はスマホの動画通話を使ったオンライン英会話教室が人気です。

時間の調整も付きやすく非常に使い勝手がいいこのオンライン英会話。

メリットデメリットを見ながら自分に合っているか確認してみてください。

1-2-1.メリット

・利便性が高い
オンライン英会話の場合、レッスンの時間を自由に選ぶことができます。

社会人にとって英語だけの時間を確保することは簡単なことではありません。

オンライン英会話であれば、電車の移動中や昼休み、早朝・深夜などの隙間時間を有効活用できます。

また通学のための時間や交通費もかかりません。

オンライン英会話のイメージ

・自分に合う教師を選べる
英語が楽しいと感じなければ英語学習を長く続けることができません。

そこで大切になのが、自分と相性の良い教師を見つけることです。

オンライン英会話教室には、多くの教師が在籍しており、教師のプロフィールが公開されているので、
年代の近い教師や自分の趣味や仕事と共通点がある教師を選ぶと英語の学習のモチベーションが続きやすいでしょう。

また同じ業種のビジネス経験を持つ教師に教われば仕事に直結するレッスンを受講することができます。

アルファベットのイメージ

・安価なレッスン費用
オンライン英会話の費用は、一般的に対面式の英会話よりも安価です。

教材はほとんど無料となっていて、通学型に比べると入会金も安く抑えられているので初期費用が安く、手軽に始めることができます。

授業料は月額定額で毎日レッスンが受けられるので費用面で非常に有利です。

・選択肢が多い
通学型英会話スクールでは学校の場所や授業時間などが決まっているので、通学可能なスクールがかなりしぼられてしまいます。

オンライン英会話は時間や場所を選ばないのでたくさんのサービスの中から料金やメソッドを比較して、自分にあったサービスを選ぶことができます。

世界がつながっているイメージ

1-2-2.デメリット

・体系的でないプログラム
通学型スクールの場合、受講者のクラスのレベルに合わせたテキストが販売され、
そのテキストに基づいて授業が展開されていくので、レベルに合わせた英語を体系的に学んでいくことができます。

一方、オンライン英会話の場合テキストがなかったり、購入が任意だったりするために体系的な授業を受けるということは難しいです。

・ネット回線状況による音声トラブル
オンライン英会話では、講師と生徒がインターネットを通じてレッスンを行うので、
インターネットの回線の状況によって音声が一時的に途切れたり、雑音が入ったりして相手の声が聞き取りづらくなってしまうことがあります。

通信環境が良く、もしトラブルが起こったときには返金や振替レッスンなどきちんと対応してくれるスクールを選ぶようにしましょう。

ワールドワイド

・講師の質に差がある
オンライン英会話スクールは在籍している講師数が多い反面、講師の質に大きな差が出てしまいます。

予約が空いている講師を適当に選んでレッスンを受けるのではなく、自分の学習目的に合ったレッスンをしてくれる講師を見極める必要があります。

ランキング

1-2-3.オススメのスクール

・医学英語アカデミーELTO

医療英語に焦点を当てた珍しいオンライン英会話です。

スカイプを使ったマンツーマンレッスンが可能で、空いた時間を使って毎日受講できます。

現場の様々なシチュエーションを想定した教材が多く用意されていて、レッスンではロールプレイをたくさん経験することができます。

コースも専門的になっており、呼吸器科、整形外科、循環器科、消化器科ごとのコースや、看護コース、薬剤師コースがあります。

初歩的な文法から学ぶレッスンも用意されていて、一歩ずつ医療英語へとステップアップすることもできます。

・mytutor(マイチューター)

ビジネス英語や資格試験対策といった専門的な分野に焦点を当てたオンライン英会話です。

職業別プログラムが用意されており、現場で使う英語スキルを向上したいと考える医療従事者におすすめです。

医師や看護師に適した「Medicine 1.2」、製薬会社で働く研究開発や品質管理部門の人に適した「Pharmaceutical」の2種類のプログラムから選択する形となっており、講師担任制が採用されていて、自分のレベルやクセを把握してレッスンを提供してくれます。

・MedTalk(メドトーク)

MedTalkは日本人医療従事者の英語力をアップするスクールとして登場しました。

講師は全員フィリピンの看護師国家資格を取得しているので、英語だけでなく医学的な知識も十分です。

既に日本の大型病院や国際NGOに採用されており、確かな実績もあるので、間違いなく現場で必要な医療英会話が身につきます。

1-3.独学で勉強する

1-3-1.メリット

・費用を抑えることができる
英語はすぐに上達することはなく、長期間続けていく必要があります。

独学の場合、始めに購入するテキスト代以上の費用は基本的に発生しません。

英会話スクールに通うと月謝、交通費など続ければ続けるほどお金がかかります。

費用面での支払いが難しくなると、継続が困難になることもありますが、独学の場合はそういった心配はありません。

・自分の好きな時間に学習することができる。
英会話スクールへ通う手間、時間もかからず、自分の自由な時間に学習することができるので、
仕事や育児などで忙しい人も、比較的続けることが容易です。

英単語をノートの書いて暗記しているシーン

1-3-2.デメリット

・学習頻度や時間が自由なため、長続きさせる事が難しい。
独学は自分ですべての学習計画を立てて、計画通りに勉強を進めなければならないので、自己管理が苦手な人とって不向きな勉強法です。

またしっかりとした目標や目的がなければ、やる気がなくなった時や、壁にぶつかった時に、モチベーションを維持することがとても難しくなります。

どうしたものか悩んでいるところ

・間違った勉強法を選んでしまう恐れがある
英会話教室では、レベルごとにカリキュラムが組まれており、講師が自分の英語スキルに合わせて学習計画を組んでくれます。

しかし、独学で英会話の勉強をはじめる場合、自分に合った学習法を自分で見つけなければなりません。

せっかくの努力を無駄に終わらせないためにも、慎重に勉強法を選びことが重要になります。

・アウトプットの機会がない

外国人たちが会話をしているところ

英会話において、相手と実際にコミュニケーションすることはとても大事です。

独学では、勉強で得たことをアウトプットする機会がありません。

自分で積極的に英語を話す機会を探したり、見つけたりする必要があります。

2.英語を活かせる看護の現場

2-1.英語を使って仕事する病院

・病院・クリニック
一般病院や個人クリニックでは、施設規模の大小を問わず、外国語対応できる人材がまだまだ不足しているのが現状です。

個人クリニックでは、英語対応ができずコミュニケーション不足のまま治療を行ったり、
大病院でも臨時に通訳サービスを利用したりして、対応している機関もあり、英語力の備わった看護師が必要とされています。

外国人患者が受診したときには、英語対応可能な看護師が、問診票の記入、患者の症状や病歴の聞き取り、
院内の誘導、患者への診察内容や処置の説明、医師と患者間の通訳など、院内での全過程をサポートする役割として、ときには配属部署や病棟を超えて活躍します。

待ちあい室

・トラベルクリニック
トラベルクリニックは、海外赴任・海外出張・留学・海外旅行など種々の目的で海外へ渡航する方に、
予防接種、健康診断、予防薬処方など海外滞在のために不可欠な医療サービスを提供する専門医療機関です。

看護師は、注射、採血などの処置や検査介助などの看護スキルのほか、
英文書を読解できる英語力や各国の医療知識に長けたコミュニケーション力が必要になります。

 

2-2.医薬品業界

・CRO(医薬品開発受託機関)
CRO(医薬品開発受託機関)とは製薬会社から治験業務を受託して、治験業務全般の全て・または一部を代行する機関です。

昨今、新薬(医療機器)開発というのは、国際的な協働が主流となってきており、
海外の製薬企業とのコミュニケーションや国際共同治験を行うために英語は不可欠です。

CROでは、「CRA」と呼ばれる臨床開発モニターが治験モニタリング業務を取り仕切ります。

CRAとしての看護師の業務内容は、多岐に渡り、製薬関係者、医療関係者との折衝や文書作成、
手順確認など、治験知識のほかに、スケジュール管理能力やマネジメント能力といったビジネススキルが必要となります。

またグローバル治験を行う上での書類や対応は英語のシーンも多く、英語が話せる看護師は、CROでは大変重宝されるのです。

CROで働く看護師の役割は、治験の成否にも関わるほど重要であり、新薬の開発に携わる非常にやりがいのある仕事になります。

薬の配置図

2-3.海外ボランティア

医療を必要としている子ども

・青年海外協力隊

ODA(政府開発援助)の一環として、独立行政法人国際協力機構が実施している事業です。

開発途上国などからの要請に基づき、ニーズに合った技術・知識・経験を持っている人を派遣します。

現地の人々と共に生活し、働き、相互理解を深めながら、発展途上国の人々の自助努力を促進するように活動しています。

・国境なき医師団

国境なき医師団の活動は、緊急性の高い医療ニーズに応えることを目的としており、紛争や自然災害の被害者、
貧困などさまざまな理由で保健医療サービスを受けられない人びとなど、その対象は多岐にわたります。

活動のほとんどは、民間からの寄付金によって、まかなわれています。

寄付金が潤沢であるため、ボランティア活動ですが給与が支給されることが特徴です。

・ジャパンハート

日本発祥の国際医療NGOで、“医療の届かないところに医療を届ける”を理念に活動しています。

派遣期間は2日~1週間ほどの短期が中心なので、数日の休暇を利用して参加することができます。

2-4.医療通訳

医療通訳とは、外国人の患者が日本人の医療者とスムーズに意思疎通が図れるようにサポートする仕事です。

患者が自分自身の症状を正確に伝えられなければ、命を危険にさらすことになりかねません。

患者と医師の言葉を的確に通訳し、適切な医療サービスを受けられるようにサポートをするのが医療通訳士の役割になります。

医療通訳士は、人間の命にかかわる重要な役割を担っており、高度な医療知識と語学力が要求されます。

またスキルだけでなく、諸外国の価値観や風習、倫理観、文化的な背景に関しても知っておく必要があるでしょう。

2-5.メディカル・ツーリズム

メディカルツーリズムとは検診や治療などの医療サービスを受ける目的で外国に渡航することをいい、有力な成長産業として注目されています。

聴診器のイメージ

日本では、すでに外国人患者とその同伴者への医療滞在ビザの発行が実現され、医療渡航支援企業も続々と創設されています。

また、いくつかの医療機関が外国人向け検診を専門的に行う事業を始動し、今後は治療や美容目的での渡航者拡大も見込まれている将来性のある産業です。

増加する外国人患者に対応ができる看護師の人材確保・育成も急務となり、国際感覚と英語力を備えた看護技術を提供できる看護師が求められています。

業務自体は採血・血圧測定・各種身体測定・検査介助など単純な流れ作業がメインなので、
看護のスキルアップを求める人には不向きといえますが、豊富な臨床経験に基づく熟練したスキルと接遇力が必要とされ、
英語を活かした業務を求める看護師には、オススメです。

最後に

2020年の東京オリンピックにむけて企業や地方自治体、学校などでも国際化に力をいれたさまざまなプログラムが組まれています。

医療の現場にも国際化の気運が高まり、多くの病院で「外国語教育」が開始されておりとくに「英語」は重視されています。

あらゆる患者が安心して治療を受けられる環境づくりのために、英語の勉強を始めてみましょう。

英単語と看護