認定看護管理者の資格についてご存知ですか?
看護師としてのキャリアアップの一環として認定看護管理者を目指す人のための情報をお届けします。是非参考にしてみてくださいね。
目次
1.認定看護管理者とはそもそもどんな資格なの?
認定看護管理者とは、病院や介護老人保健施設などの管理者として必要な知識を持ち、組織を改革していける能力を持つ人材として認められた人のことを指します。
具体的には、看護師としての実務経験が5年以上あり、日本看護協会が定める510時間以上の教育を受講していること、大学院で看護管理に関する単位を修得し修士課程を修了した人だけが、認定審査を受けることができます。見事、認定審査をクリアするとン認定看護管理者として名乗ることが可能となります。
また、この資格は5年ごとの更新制です。資格取得後も活動や実績を積み重ねる努力も必要となります。2016年の段階で認定看護管理者の人数は、2991名となっておりまだまだ多くはない現状ですが、今後益々増加していくことが見込まれます。
1.1.認定看護管理者ってどんな目的で作られた資格か
認定看護管理者の制度は、質の高い看護サービスを提供することを目指して看護の水準維持や公共に寄与することで保健医療福祉への貢献を目的としています。
1.2.認定看護管理者を目指す目的と資格取得数
有資格者の調査では、自らのキャリアアップや知識の習得のために資格取得を目指すという人が6割以上となっています。次いで上司の勧めで目指すことになった割合が3割ほどです。
上司の勧めで目指すことになったといっても、やはり一番はこれまでの働きぶりや経験値を鑑みての勧めが多いのではないでしょうか。 認定看護管理者は、ワンランク上の看護資格という認識があることが読み取れます。
また、認定看護管理者の資格を有する人は、2017年10月で3,000人を超え、3,328人の人が資格を取得しています。
まだまだこれから資格と言えますが、これからの時代は看護師が絶対的に少なくなってくるので認定看護管理者のように看護について総合的に知識がある人のニーズは高くなってくるといえます。
1.3.資格取得後はどんなことで役立つのか?
資格取得後、職位や処遇に変化があったかどうかというアンケートでは、昇給した人が約10%、昇進した人が約22%、変化なしと回答した人が約69%と回答しています。
資格取得が社会的地位向上や給与アップに直接的に繋がっているとは言えないようですが、一方で資格取得後活動の場の変化に関するアンケートでは、施設外での活動の場が広がったと回答した人が約55%となっており、認定看護管理者としてのキャリアアップになっていることは間違いありません。
2.認定看護管理者のカリキュラム
認定看護管理者のカリキュラムには3種類があることをご存知でしょうか?それぞれレベルが異なり、自分の求める知識レベルのカリキュラムを目指すことが良いでしょう。具体的に以下にまとめましたので、是非ご覧くださいね。
教育課程 | 受講要件 |
---|---|
ファーストレベル |
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セカンドレベル |
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サードレベル |
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2.1.まずは基本手レベルと言える:ファーストレベル
ファーストレベルでは、150時間のカリキュラムで構成されており、下記の3つを教育目的としています。
① 看護専門職として必要な管理に関する基本的知識・技術・態度を習得する。
② 看護を提供するための組織化並びにその運営の責任の一端を担うために必要な知識・技術・態度を習得する。
③ 組織的看護サービス提供上の諸問題を客観的に分析する能力を高める。
参考データ:認定看護管理者カリキュラム基準【ファーストレベル】
2.2.中間管理者に必要と考えられる知識の習得:セカンドレベル
セカンドレベルでは、180時間のカリキュラムで構成されており、下記の2つを教育目的としています。
②施設の理念ならびに看護部門の理念との整合性をはかりながら担当部署の看護目標を設定し、その達成をめざして看護管理過程が展開できる能力を高める。
参考データ:認定看護管理者カリキュラム基準【セカンドレベル】
2.3.看護の知識を総まとめするレベルとしての:サードレベル
サードレベルでは、180時間のカリキュラムで構成されており、下記の2つを教育目的としています。
・看護事業を起業し運営するにあたって必要となる経営管理能力に関する知識・技術・態度を習得する。
参考データ:認定看護管理者カリキュラム基準【サードレベル】
各レベル別の教育機関について(ファーストレベル、セカンドレベル、サードレベル)全国の色々な学校があります。認定看護管理者に関する公式ページにて、一覧が掲載されています。
こちらから、確認できます。
3.認定看護管理者試験について費用や申込先など
3.1.認定管理看護者を目指す!申し込みまでの流れと費用
認定審査を受けるに当たり、費用や申し込み方法についてご紹介します。下記の申し込みステップ全てをまずは完了させましょう。なお、最近の出願期間を例にしてみると、申請期間は約10日間ほどですので、スケジュールは意外にもタイトです。
仕事をしながら資格取得準備を行う人は、こういった漏れがないようスケジュール管理を徹底しましょう。
なお、審査料については最近の実績ベースだと50,760円(税込)となっています。
<申し込みのステップ>
- WEB申請『資格認定制度 審査・申請システム』を行う
- 審査料の振り込みをする
- 認定審査申請書類提出する(Web)
- 認定審査申請書類提出する(郵送)
4.資格取得までのステップとは?
認定看護管理者になるまでにどのようなステップで進むことになるのか簡単にまとめてみました。看護師免許取得から考えるとかなり長い道のりになることがわかります。
その分、キャリア形成の面では仕事だけではなく体系的にケアの知識を理解することができるため、大きなメリットとも言えます。
具体的には下記にまとめていますのでご覧ください。
<資格取得までのステップ>
- 日本国の看護師免許を有すること
- 看護師の免許取得後、通算5年以上の実務経験を積む
- 下記のいずれかの要件を満たすこと。
- 要件1:認定看護管理者教育課程サードレベルを修了している者。
- 要件2:看護系大学院において看護管理を専攻し修士号を取得している者で、修士課程修了後の実務経験が3年以上ある者。
- 要件3:師長以上の職位で管理経験が3年以上ある者で、看護系大学院において看護管理を専攻し修士号を取得している者。
- 要件4:師長以上の職位で管理経験が3年以上ある者で、大学院において管理に関連する学問領域の修士号を取得している者。
- 認定審査(書類審査及び筆記試験)
- 認定看護管理者認定証交付・登録
- 5年ごとに更新(看護管理実践の実績と自己研鑽の実績等)
5.認定看護管理者に関するオススメ書籍
認定看護管理者を目指す、または目指し始めている人へオススメの書籍をご紹介します。
5.1.看護管理ファーストブック~これから看護管理者になる人へ/学研メディカル秀潤社
認定看護管理者を目指すことを検討し始めたリーダー層の方にオススメです。看護サービスのマネジメントについても詳しく掲載されています
5.2.看護管理セカンドブック/太田 加世
ファーストブックの第二弾に該当する書籍。看護管理実践計画書がスラスラと書ける!「ヘルスケアサービス」「医療経済」「看護組織」「人的資源」マネジメントの実用書として話題です。認定看護管理者カリキュラム基準のセカンドレベルに準拠しています。
6.一度取得しても継続した努力が必要な資格
認定看護管理者の資格の有効期限は、5年となっておりそのタイミングでの更新手続きが必要です。
更新手続きが必要なのは、この資格の目的にもある通り、看護の質の向上・レベル保持を目指しているという点から資格取得後も実践経験を積むことはもちろんのこと、日々学びの精神があるからと言えます。
なお、更新手続きにも受験条件をクリアしていることが必須であり、更新申請後書類審査によって更新可否が決定します。次に更新手続きについてご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
6.1.認定看護管理者資格の更新審査の受験資格
対象者 | 認定看護管理者資格を喪失した者 | ||
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申請期間 | |||
1. 審査申請 | 例年8月中旬頃 | ||
2.審査料振込 | |||
3.申請書類(オンライン)提出 | 例年8月中旬頃 | ||
4.申請書類(郵送)提出 | 例年8月中旬頃 | ||
申請書類 | |||
申請画面 | 資格認定制度 審査・申請システム ※ 申請期間外は申請することはできません。 資格認定制度 審査・申請システムに関するよくあるご質問はこちら |
<受験資格>
・日本国の看護師の免許を有すること。
・申請時において、認定看護管理者であること。
・申請時において、過去5年間に細則に定める看護管理実践及び自己研鑽の実績があること。
1)看護実践時間が2,000時間以上に達していること。
2)実践活動等の実績及び学会等への参加や発表の実績が合わせて50点以上であること。
<申請方法>
認定看護管理者資格は以下の手続きを行います。
1.審査申請『資格認定制度 審査・申請システム』https://nintei.nurse.or.jp/certification/Nurse/NLGI01/NLGI01.aspx
2.審査料振込:30,240円
3.オンライン書類提出
4.申請書類提出