ブランクのある看護師にとって、不安はさまざまかと思います。
日々どんどん進化を遂げていく医療現場にもう一度戻ることができるのか?
新しい職場になじむことはできるのか?
家庭との両立はできるのか?
人は誰しも、環境が変わることに不安を覚えるものです。
でも、復職しようと思った気持ちを大切にしてください。
不安な気持ちに負けて看護師と異なる職種を選んだり、復職することをあきらめたりしないでください。
医療現場では、ブランクがあっても活躍されている看護師が多くおられます。
今回は、主にブランクがある看護師が復職前・復職後にしてほしいこと、求人を選ぶポイントについてお話させて頂きます。
1.復職前にしておきたい6つの準備
1.1.看護師等届出支援システム「とどけるん」への登録
現在、看護師の不足が深刻になっています。
そのため、「看護師等の人材確保の促進に関する法律」が改正され、
平成27年10月から保健師・助産師・看護師・准看護師の免許をお持ちで勤務をされていない方は、ナースセンターに届け出るようになりました。
それ以前に退職された方は登録がまだかと思いますので、登録をお願いします。
復職を希望する人向けのサポートや職場の紹介、あなたのライフスタイルに合う勤務の提案などをしてもらえます。
もちろん、今の医療現場の技術研修等も行い、職場復帰における不安を軽減することができます。
また、登録後は下記のような情報を得ることができます。
・私のまちのナースセンター
都道府県別のナースセンターにおける、復職支援や職業紹介などの情報を紹介します。
・私の復職ストーリー
あなたと同じようにブランクのある看護師がどのようにして復職したか紹介します。
・看護のお仕事いろいろ
多様化する看護師の仕事情報を紹介します。
・都道府県別コンテンツ
地元での再就職に関する情報などを紹介します
インターネットで届出サイト「とどけるん」にアクセスし、
個人情報・連絡先に関する情報・看護師などの籍の登録番号と登録年月日・就業に関する状況を申請するようになっています。
インターネットの環境がない方は、最寄りのナースセンターでの手続きになります。
1.2.「看護師向け復職支援研修・実習」に参加する
ブランクがある看護師にとって、医療現場で求められる迅速な処置や看護スキルがすぐに戻るのかといった不安は大きいものだといえます。
そういった不安を取り去るには事前に、ナースセンターで行われる「看護師向け復職支援研修・実習」への参加をおすすめします。
研修だけではなく、同じような環境の人同士が交流できる「交流カフェ」などの企画も行っています。
あわせて、関西にお住いの方は、大阪・兵庫をメインに転職サポートを実施しているMHP看護の行っている再就職支援セミナーにも参加してみてください。
☆ナースセンターのものを中心に、研修に参加してください。☆
1.3.都道府県看護協会による無料職業紹介「eナースセンター」への登録
1.2.でご紹介した登録先は「eナースセンター」となっており、求人検索、応募を行うことができます。
あなたが直接応募することも可能ですし、ナースセンターを経由することもできます。
さまざまな媒体で看護師の求人はありますが、他の媒体との比較の意味でも登録しておくと良いでしょう。
☆「eナースセンター」に登録し、色々な情報を得てください。☆
1.4.復職にあたり、基本の復習をしよう!
看護師のブランクがある人向けの研修に参加すると共に、あなた自身でも基本の復習をしてください。
看護学校に通っていた当時の教科書を読むと共に、今は便利なアプリも出ています。ぜひ活用してください。
あわせて看護書や最新の医療参考書も読むようにしてください。
看護学校の卒業生であれば、学校の図書館を利用できる学校もあります。今のお住いからも通える範囲であれば、問い合わせしてみても良いです。
便利なアプリ一覧
日々変わり続ける医療現場の今を見るために、あると便利です。
1つのアプリで12冊分のデータが入っています。記憶を戻すためにも、活用してください。
医療手技を実体験を基にしたマンガで掲載してくれているので、読みやすいです。1テーマは無料で読むことができ、残りは購入することもできます(240円)。
データは6か月ごとに自動更新されるので、写真も情報も常に新しいものです。あなたのお薬手帳の管理もできますので、プライベートもかねて活用してみてください。
上記でご紹介したアプリ以外にも便利なものがたくさん出ています。
あなたに合ったものを数種類登録し、入職前に知識をどんどん増やしてください。書籍と違い、新しいデータが更新されていく点は魅力的です。
☆メインは書籍で、アプリはサブとして予習&復習をしてください。☆
1.5.あなたの復職時の環境 働き方について考えよう
あなたが今ブランクのある理由が家庭の都合による場合は、復職後も仕事と家庭をバランス良く両立できるように考えると共に、家族の協力も必要になります。
また、不安な面もカバーできる環境の方が気持ちも安定して勤務することができ、職場にも慣れやすいでしょう。
ケース別にどのような働き方があるのか一例をご紹介します。ぜひ参考になさってください。
ただ、これを前面に志望動機に書いてしまうのはNGです。採用担当者は「職場に求めるばかりの人材」は必要としていません。
あなたがブランクの期間も勉強していた姿勢や復職にあたり研修に参加した熱意を伝え、どういった点が求人元の役に立てるのかといった伝え方にしてください。
・医療現場に戻ることに不安がある。
総合病院に多いといえます。また、医療現場の慌ただしい雰囲気に戻れる自信がない方は、最初は救急指定病院は避け、療養型病院、慢性期病棟、介護関係などの職場を選ぶというスタイルもあります。
・子どもや家庭の都合で今後も休むことがある。
子どもの体調不良などによる急な休暇も考えられると思いますので、すぐに常勤にこだわらず、まずはパート、アルバイト、派遣などから慣らしていっても良いでしょう。
職場に育児や介護経験者の看護師が多いといった点も理解を得やすいかどうかというポイントになります。
・プライベートの時間を持ちたい。
パート、アルバイト、派遣といった働き方であなたの時間を持つこともできますし、夜勤のみを担当する働き方もあります。
通勤時間、勤務時間は短い方が良い
午前の診察と午後の診察時間のみの勤務になることが多いです。ただ、クリニックによっては看護師としての仕事とは別に、受付業務や備品の管理などこなす仕事が多くなる場合もあります。
1.6.看護師の転職サイトに登録する
まずは、基本的な情報を得るために「とどけるん」の登録と「eナースセンター」への登録を推奨しました。
次に、あなたの不安を軽減させるため、予習&復習をしっかりこなし、研修に参加することをおすすめしました。
そして、今後の働き方についても考えることができました。
あとは求人検索や履歴書や職務経歴書といった書類作成、さらには面接対策となってきます。
そのときに心強い存在となるのが看護師の転職サイトの転職エージェントの存在です。転職サイトによって多少の差はありますが、色々なサポートをしてもらえます。
・履歴書、職務経歴書といった書類作成、面接におけるフォローをしてもらえる。
・面接に同行してもらえる。
・勤務条件、退職日、入職日といった職場との調節をしてもらえる。
・入職後のフォローも充実している。
ブランクがある看護師にとって非常に心強い存在となります。大手を中心に数社登録することをおすすめします。
その中でも評価が高い看護師の転職サイトをご紹介しておきますので、参考になさってください。
マイナビ看護師
管理職の求人 | ★★★★ | お祝い金の有無 | 無し |
---|---|---|---|
助産師の求人 | ★★★★ | 法人の信用度 | ★★★★★ |
保健師の求人 | ★★★ | 対応地域 | 全国対応 |
保育園の求人 | ★★★ | 実店舗の有無い | 有り |
准看護師の求人 | ★★★★ | コンサルタント対応 | ★★★★★ |
求人掲載数 | ★★★★ | 絞り込み条件 | ★★★★★ |
全国に支社があり、各地の求人を幅広く扱っていますので、新しい土地での転職を視野に入れている方にも心強い存在になります。
求人元の採用担当者とマイナビ社の転職エージェントとは今まで培った深い信頼関係(過去に看護師を何度か紹介してきている)がありますので、私たちがなかなか得ることのできない求人元の情報もしっかり把握しています。人間関係、職場の年齢層、職場環境などもどのような状況か教えて貰えます。
マイナビ看護師をおすすめする一番の理由は「転職エージェントの一人ひとりにかける姿勢」だといえます。
自分では見えていなかった一面にも触れ、その場限りの職業紹介ではなく、長い目でみたキャリアプランの提案をしてもらうことができます。
色々な口コミサイトを見ても、やはりマイナビ看護師の転職エージェントの評価は高いです。
看護roo
管理職の求人 | ★★★★ | お祝い金の有無 | 無し |
---|---|---|---|
助産師の求人 | ★★★ | 法人の信用度 | ★★★★ |
保健師の求人 | ★★★ | 対応地域 | 首都圏・関西・東海・九州 |
保育園の求人 | ★★★ | 実店舗の有無い | 有り |
准看護師の求人 | ★★★ | コンサルタント対応 | ★★★ |
求人掲載数 | ★★★ | 絞り込み条件 | ★★★ |
関東・関西・東海地方の求人に特に強いと言われています。
さらに、他社ではなかなか扱いの少ない看護師の管理職の求人も扱っていますので、いずれかに該当する方はぜひ登録を検討してください。
看護rooをおすすめする一番の理由は、転職エージェントの姿勢もありますが、求人を厳選している点です。
過去に何かしらの問題があった求人元の求人は一切掲載せず、看護師が安定して長く続けられる職場のみを厳選するようにしています。
もちろん、人間関係、職場の雰囲気といった気になる面も教えてもらうことができます。
看護師のコミュニティサイトとしての一面もありますので、ぜひ、どちらも活用してみてください。
看護のお仕事
管理職の求人 | ★★★★ | お祝い金の有無 | 12万円 |
---|---|---|---|
助産師の求人 | ★★★★ | 法人の信用度 | ★★★★★ |
保健師の求人 | ★★★★ | 対応地域 | 全国対応 |
保育園の求人 | ★★★★ | 実店舗の有無い | 有り |
准看護師の求人 | ★★★★★ | コンサルタント対応 | ★★★★★ |
求人掲載数 | ★★★★★ | 絞り込み条件 | ★★★★★ |
看護のお仕事をおすすめする一番の理由は、転職が決まった際に受け取れるお祝い金が最大12万円あることです。
なぜ支給されるのか?不思議に思われる方もいますよね。
このお祝い金には、「転職後のあなたの近況を知ることで、次の転職者へ情報提供したい。」という意図が込められています。
面倒に思われるかもしれませんが、受け取り方によっては転職後も看護のお仕事の担当者からのフォローを受けることができるのです
新しい職場に慣れるまでの心強い存在になりそうです。
もちろん、転職活動中も転職エージェントからのフォローがあります。ブランクがあり、何かと不安な面が多いと思いますので、登録された際は色々相談なさってください。
ナース人材バンク
そのため、扱う求人件数はトップに位置し、知人からの紹介件数がNo.1です。
転職エージェントのスキルも高く、手厚いサポートが期待できます。
過去の利用者からも、ひとりひとりに合わせた細やかな提案をしてくれるといった評価が寄せられています。
大手の転職サイトといえば、ナース人材バンクを思い浮かべる方も多いので、ぜひ登録する一社として検討してください。
1.7.復職前にしておきたい準備のまとめ
ブランクのある看護師が復職するにあたりしてほしいことを時系列にお話ししました。
もう一度、大切な点だけをまとめておきます。
・ナースセンターなどの「看護師向け復職支援研修・実習」に参加する。
・無料職業紹介「eナースセンター」への登録を行う。
・復職にあたり、基本の復習をする。(アプリ、教科書などを上手に活用する)。
・復職時の働き方について検討する。
・看護師の転職サイトに登録する。
上記のように柱をまずは整え、あとは具体的にあなたの希望する求人を探し、それと共に履歴書や職務経歴書の作成と面接対策も行います。
ブランクがある看護師はとくにどちらも力を入れて欲しいので、ナースセンターのスタッフや看護師の転職サイトも上手に活用して希望する求人の内定をもらえるようにがんばりましょう。
2.復職後に大切な4つの心得
ブランクのある看護師のあなたが、内定を得たとします。人は誰しも、少しほっとしてしまいそれがゴールのように感じてしまうものです。
でも、肝心なのは復職後です。1日でも早く新しい職場環境に慣れ、あなたの看護師としての勘も戻るようにできる心得について触れたいと思います。
2.1.もう一度新人になった気持ちを持つ
日々進化する医療現場では、あなたが過去に培ってきた経験や知識もどんどん新しいものに変化し続けている可能性があります。
ブランクの期間が長ければ長いほど、新人になった謙虚な気持ちを大切にしてください。相手が新卒2~3年目の看護師であっても、尊敬する姿勢を持ちましょう。
過去のプライドも、培ってきたスキルを活かしたい気持ちもとても良く分かりますが1日も早く職場の人間関係に慣れるには、対人関係に気を付けることが大切です。
とはいえ、まるまる教えて貰う受け身の姿勢でいるのも問題です。先ほどご紹介したアプリや教科書を使って、自分自身で学ぶ姿勢も大切にしてください。
2.2.聞いていた勤務条件と異なる
面接時に確認した勤務条件と、じっさいの勤務条件が異なることは良くあります。
そういったことを防止するために、復職前に書面での勤務条件に関する契約を結ぶことが大切です。
看護師の転職サイトを通じて転職活動を行った人は、面接時に転職エージェントに同行してもらい、聞きにくい勤務条件に関する確認をしてもらったり、事前に交渉してもらったりすることもできます。
また、入職後のフォローもありますので、自分で勤務条件を交渉するのは避けなるべくエージェントに依頼する形をとりましょう。トラブルになった時直接交渉するのはほぼ不可能だからです。
2.3.即戦力として扱われ、聞きたいことが聞けない
たとえブランクのある看護師だったとしても、転職組と同じように即戦力として期待されるケースもあります。
その結果、聞きたいことが聞けずにミスが目立つといった悪循環になってしまうかもしれません。
教育制度がしっかりしている求人元を選ぶことも大切ですが、入職時に直属の上司に「あなたが今できること、できないこと」をしっかり提示し、
できないことに関しては1日も早くできるようにするのでフォローが欲しいことを話しましょう。
転職サイトを通じて転職活動をした方は、事前に転職エージェントを通じて伝えてもらうこともできます。
2.4.自分のプライベート(家事など)との両立を上手にできない
看護師として復職すると、今までと環境ががらりと変わります。復職前と同じようにはいかなくなりますので、同居の家族がおられる方は事前に良く話をしておきましょう。
お互いの協力が必要不可欠です。
とくに、勤務時間、正社員・パート・アルバイトなどどういった形で働くのか、家事などの分担はどうするのか、子どもの体調不良などの急な予定はどうやってフォローし合うのかなど具体的に話し合っておいてください。
3.まとめ
ブランクのある看護師の方が復職するにあたり大切なポイントを、復職前と復職後でお話させて頂きましたが、いかがでしたか?お役に立てれば幸いです。
不安な面も多くあると思いますが、過去のあなたの培ってきたスキルに自信を持ち(女性の多い職場なので、謙虚な姿勢は大切ですが…)、また看護師として活躍される未来を応援しています。